「『コジコジ』を思い出した」「お話も色彩もふしぎ」ヨシタケシンスケも絶賛するシュールな絵本『ゲナポッポ』とは?

文芸・カルチャー

更新日:2020/11/5

ゲナポッポ
『ゲナポッポ』(クリハラタカシ/白泉社)

 子どもはもちろん大人にも読みごたえたっぷりな新作絵本『ゲナポッポ』が、2020年10月30日(金)に発売された。シュールな味わいに満ちた世界観に、ネット上で反響が巻き起こっている。

 物語はある日、ハットさんが道ばたで「ゲナポッポ」という不思議な生き物を拾うことから動き出す。ゲナポッポは人智を超えた発想と行動をとる一方、なんだか飄々とした佇まいを感じさせる一面もある……。正体はさっぱり分からないけれど、ゲナポッポが登場するお話はユルいのに深くて、なんだか癒されるものばかり。読めば読むほどその不思議な魅力に惹かれてしまうこと間違いなしだ。

 予想もつかない“謎の生き物”をめぐる物語に、絵本好きの読者からは「お話も色彩もふしぎで、すごく面白かったです!」「のどかで不思議で、怪しくて危険で、神秘的でおかしくて…要素がいろいろと高密度。さくらももこさんの『コジコジ』を思い出した」「よくわからないものなのに、いつもそこにいるのが当たり前のような不思議な生き物の物語。とても面白かったです」と好評の声が相次いでいる。

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 帯には『りんごかもしれない』などで知られる人気絵本作家・ヨシタケシンスケがコメントを寄稿。「ああ。教えておくれ、ゲナポッポ。ぼくは一体、何ポッポなんだ」「ゲナおもしろい! ポッポ界の最高傑作!!」と、同作の世界観を絶賛していた。

 作者のクリハラタカシは絵本からマンガ、イラストまで幅広い活躍を見せる実力派作家。2015年に手がけた短編マンガ集『冬のUFO・夏の怪獣』では、胸が躍るような“平凡な非日常”をめぐる物語を執筆。SNS上では「誰かのどうでもいい日常って感じなのに、見せ方が天才的。発想やワードセンスに惹かれながら、気付いたら読み終えていた」「こんなにもストレスなく読めて、ふふっと笑えて、登場人物みんなを愛おしく感じるマンガは滅多にお目にかかれない」「なんでもないものを描くだけで人を優しい気持ちにできるマンガ。これは素晴らしい」と評価する声であふれかえっている。

 豊かなイマジネーションによって築き上げられた物語の世界は、浮世離れした「隠れ家」のよう。ちょっと疲れてしまった時に読めば、不思議な力で心を癒してくれるはずだ。