凸版印刷が電子書籍端末を発表! 印刷大手自ら電子書籍端末を販売、その強みとは?

更新日:2012/7/6

 7月3日に日経新聞で報じられていたが、6日まで開催中の「国際電子出版EXPO」において、印刷大手凸版印刷(トッパン)が自社で展開する電子書店BookLiveの読書端末を発表した。

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 今回は、ケース内にデモ機が配置され、実際に操作することはできなかったが、2日に発表された楽天のkobo同様、6インチの電子ペーパーを採用し、日本語フォントも標準搭載するという。操作部の表記もすべて日本語となっており、国内展開を強く意識した仕様となっていることが伺える。

 電子書店BookLiveを展開するトッパンは、秋に発売予定のこの端末で8万タイトル以上をラインナップするとしている。まだ日本語対応の最中にあるEPUB3を全面採用するとしたKoboが実質約2万タイトルでサービスを開始するのに対し、既存のフォーマットにも対応し、電子書店で先行する強みを示した格好だ。同日には、グループ会社ビットウェイが出版デジタル機構と電子書籍の配信システムを共同で開発することも発表している。

 電子書籍元年と呼ばれた2010年から国内の電子書籍展開では、大日本印刷と凸版印刷という印刷大手がその存在感を示してきた。今回の読書端末の登場はさらに直接的に電子書籍市場にアプローチしていこうという意気込みが感じられるものだ。引き続き注目していきたい。

取材・文=まつもとあつし