顧客や社員を甘やかして利益を上げる「甘やかしビジネス」が拡大中!?

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公開日:2020/12/8

顧客や社員を甘やかして利益を上げる「甘やかしビジネス」が拡大中!?

 2019年8月に放送された「がっちりマンデー!!」(TBS系)では、「甘やかしビジネス」を特集。聞きなれない言葉に視聴者の注目が集まっていましたが、いったいどのようなビジネスなのでしょうか。

中古PC企業の甘やかしビジネスとは?

 番組によると、近年「甘やかし」に力を入れて業績を上げている企業が多いとのこと。例えば「リングロー株式会社」は、顧客を甘やかすサービスで人気を集めているそうです。同社は中古のパソコンを取り扱う企業なのですが、業界で初めて無期限の保証を実現。中古PCであるにも関わらず、どのような故障でも無料で修理してくれます。

 なぜこのようなサービスを提供して利益を上げられるのかというと、社長曰く「パソコンはほとんど壊れない」から。デリケートな機器というイメージのあるパソコンですが、丸ごと交換する割合は販売台数の約0.1%ほど。また壊れていなくても数年で新しいパソコンに買い替える人が多いので、「無期限保証」でもそこまで不利益になりません。それどころか「無期限保証」の宣伝効果は絶大で、年間1億3000万円の売り上げを叩き出しているとのこと。この甘やかしビジネスに加藤浩次さんは、「これは上手いことやってるなぁ」と感心していました。

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 ネット上では「確かにPCの保証サービスって1回も使ったことないな」「よく考えられたビジネスモデルだと思う」「どんなに長い間保証されててもOSのサポートが終わったら買い替えちゃうからな」といった声が。ちなみに無期限保障サービスは会社独自の仕入れルートと生産方法で実現しているので、他社にマネされる心配はないそうです。

社員を甘やかして成功する企業も!?

 一方で「サイボウズ株式会社」というIT企業は、社員を甘やかして利益を出している模様。現在大手企業の7割は副業をNGにしていると言われていますが、同社では社員の副業を認めているそうです。中には社内で堂々と副業をしている従業員も。本業がおろそかになってしまいそうな制度ですが、離職率が減って売り上げの上昇にも繋がりました。

「サイボウズ株式会社」が提供している「定額制サービス」は、担当者が変わらないことが重要。そのため経験ある従業員を手放さないことが、売り上げに影響してくるといいます。さらに同社では出勤日や時間を自由に選べる制度など、様々な甘やかし制度を導入。そんな甘やかしビジネスには、「やっぱりビジネスは『人材』なんだよなぁ」「ブラックなIT企業が多いけど、サイボウズみたいなやり方が結局合理的だよね」との声が寄せられていました。

 従業員を甘やかすビジネスといえば、以前「日経ビジネス」でも取り上げられた「株式会社パプアニューギニア海産」が有名。同社は天然エビの輸入・加工・販売を行っている大阪の会社で、連絡なしで出勤・欠勤を決められるそうです。一見業務が成り立たなくなりそうな制度ですが、試しに2週間ほど実施した結果そこまで支障はなかったとのこと。それどころか作業効率や品質が上がり、時間当たりの売上高も上がっています。

 今後はブラック企業ではなく、「甘やかしビジネス」が広がっていくと良いですね。