書道家・武田双雲が一文字で表現した『ジョジョ』の世界観

アニメ・マンガ

2012/7/10

 NHK大河『天地人』の題字などを手がけた書道家・武田双雲。雑誌『ダ・ヴィンチ』8月号では、世界でも圧倒的人気を誇るマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズとコラボレートし、その世界観を一文字で表現している。

 「では書きましょうか」
迷わず、けれど急がず、書き上げたのは「誇」の文字。第4部からインスピレーションを受けた漢字だという。
「2つのキャラクターがぶつかり合う瞬間、という書の立ち姿になっていると思います」

 紙の中央で、文字が闘うようにぶつかり合っている。だがよく見ると、ただぶつかり合うだけでなく、相手を包み込むように寄りそっているようにも思えてくる。

 「そうなんです。2つのキャラクターには仲間と敵、両方の意味を込めたので。第4部では、一度敵として闘った相手が、仲間になっていきますよね。お互いにプライドを賭けて全力で闘った者同士の、ただの仲良しとは違う、相手の強さを認めて誇りに思っている、そんな友情を『誇』という字で表現したいと思いました」

 武田さんは、書道家とマンガ家、同じく「線」に関わる仕事として、思うところがあるという。
「書道は一発勝負。その瞬間に数本の線を書くことで表現する。マンガも線で勝負するものですが、何百万本もの線をじっくり組み立てていくことで勝負している。マンガ家というのは、書道家よりも彫刻家に近いのかな、と思います。時間をかけて彫り進めることで、ものの形をつくっていく」

 誌面にはマンガ家・荒木飛呂彦から武田氏へのメッセージや、今回の「書」の制作風景も掲載されている。

取材・文=門倉紫麻
(ダ・ヴィンチ8月号「『ジョジョの奇妙な冒険』連載25周年 JOJO=JAPAN」より)