「世間ずれ」の正しい意味って? 間違えると地味に恥ずかしい言葉

文芸・カルチャー

公開日:2020/12/17

「世間ずれ」の正しい意味って? 間違えると地味に恥ずかしい言葉

 日本語には様々な熟語や慣用表現がありますが、全ての意味を正確に覚えるのは至難の業。今回の記事では“誤用”しがちな言葉を3つピックアップして紹介します。いざという時に恥をかかないように、正しい意味を確認していきましょう。

誤解する人が増加中!?「世間ずれ」の意味

「世間ずれ」という言葉をSNSなどで調べてみると、「学校にいるとどんどん世間ずれしていく気がする」「アスリートはスポーツに打ち込んできた人だから、世間ずれしてないことが多いんだろうね」といった用法で使われている様子。では本来は一体どんな意味の言葉なんでしょうか?

 文化庁が公開している平成16年度「国語に関する世論調査」によると、本来の意味とされているのは「世間を渡ってきてずる賢くなっている」というもの。しかし“世間からズレている”という語感のせいか、「世の中の考えから外れている」と捉える人が多いようです。

advertisement

 この年度の調査では51.4%の人が正答を選んでいましたが、32.4%の人が「世の中の考えから外れている」を選択。さらにその後行われた平成25年度の「国語に関する世論調査」では正答率が逆転し、過半数に及ぶ55.2%の人が誤った選択肢を選んでいました。

「気が置けない相手」は不仲? 親密?

「自分にとって彼女は気が置けない人だ」などの言い回しで使用される「気が置けない」という言葉。平成24年度の「国語に関する世論調査」を見てみると、「相手に気配りや遠慮をしなくてよい」が正しい意味だとされています。

 しかしこの調査で正答を選んだ人の割合は42.7%。正反対の意味である「相手に対して気配りや遠慮をしなくてはならない」を選んだ人は47.6%に上っていて、誤解している人の方が若干多いという結果になっていました。

 ネット上では「気が置けない」という言葉の意味について、「遠慮してる相手なのか逆なのかすごく分かりにくい!」「どっちの意味が正しいのかまた分からなくなってきた…」と混乱する声がしばしば上がっているようです。

知らない人も多い?「やぶさかでない」の意味

 平成25年度の「国語に関する世論調査」では、「協力を求められればやぶさかでない」という例文をもとに「やぶさかでない」の意味を質問。すると43.7%の人が誤用である「仕方なくする」を選ぶという結果になっていました。

 実際には「喜んでする」というのが「やぶさかでない」の正しい意味。この調査では正答を選んだ人の割合はわずか33.8%となっていて、「分からない」という回答も14.0%を占めています。

 凝った言い回しを活用するのは難しいかもしれませんが、上手くいけば普通の言葉よりも効果的に響くはず。奥が深い日本語の世界をさらに極めていきましょう!