「結果にコミット」ってどんな意味? 今さら聞けない意味不明なカタカナ語

文芸・カルチャー

公開日:2020/12/25

「結果にコミット」ってどんな意味? 仕事で使う意味不明なカタカナ語

 ビジネスの場では様々なカタカナ語が飛び交うもの。もし意味がわからない言葉があっても、人に聞くことはためらってしまいがちですよね。今回はそんなビジネス用語の意味について解説していきましょう。

わかりそうでわからないビジネス用語

「コミット」という言葉はパーソナルジム「ライザップ」の広告でも使用され一躍有名になりましたが、その意味はあまり知られていないかもしれません。ネット上では「よく聞くけど“結果にコミット”の意味はいまだにわかってない」「コミットって言葉を調べると他にも意味を理解してない人がたくさんいて安心する」といった声が上がっています。

「コミット」とはコミットメントを省略した言葉で、「目標の達成を約束する」や「責任感をもって目標に取り組む」といった意味合い。さらに強調を加えた「フルコミット」という表現もあり、“全力を尽くす”ことを表すために用いられるようです。

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 また吉本興業の闇営業問題でも注目を浴びた「コンプライアンス」は、法令を遵守することを指す言葉。ただしコンプライアンスに違反する言動自体を“コンプラ発言”と呼ぶこともあるので、文脈に合った意味を汲み取る必要があるでしょう。

「プライオリティ」はビジネスにおける優先順位のことを指し、「プライオリティが高い」といった用法が一般的。「トッププライオリティ」や「ファーストプライオリティ」などの言い回しがある他、「プライオリティを置く」という言い方で“優先順位を高くすること”を表現するケースもあります。

 他には辞書的な意味を離れて造語のように使われる言葉も。たとえば「バッファ」は元々“緩衝となるもの”を指す言葉ですが、ビジネスの場では時間的なゆとりを確保することを「バッファをもたせる」と表現します。また「ナレッジ」は知識や情報などの広い意味をもつ英単語ですが、いつしか“会社にとって有益な知識”という文脈で使用されるようになりました。

カタカナ語は本当に必要?

 最近ではますますカタカナ語の普及が進んでいますが、「難しい言い回しを使う必要があるの?」と疑問に思う人も多いはず。文化庁が公開した平成25年度「国語に関する世論調査」では、この問題に関連するアンケートが行われています。

 アンケートでは同じような文脈で使われる言葉について、「漢字を用いた語とカタカナ語の使い分けができるか」について調査を実施。「合意」と「コンセンサス」という言葉に関しては、26.1%の人が同じ意味だと回答していました。その一方で20.9%の人は使い分けができると答えていて、拮抗する結果になっています。

 また「優先順位」と「プライオリティ」は26.1%の人が同じ意味だと考えていて、使い分けができると答えた人はわずか15%。そもそも前者の意味しかわからないと答えた人が50.2%を占めていました。

 今後はさらにビジネス用語の定着が進んでいきそうですが、中には廃れていく言葉も出てくるかもしれませんね。