早稲田大学・森川教授に聞く『ジョジョ』の恋愛学

マンガ

更新日:2012/7/13

 ジョジョ好き芸人などをはじめ、男性ファンの多い『ジョジョの奇妙な冒険』。男の誇りをかけた熾烈なバトルの印象が強いマンガだが、第6部で初の女主人公・徐倫(ジョリーン)が登場するなど、タフで男勝りな女性が活躍する場面も多く、恋愛シーンも多く描かれている。

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 そこで『ダ・ヴィンチ』8月号では、早稲田大学の森川友義教授が、「恋愛学」の観点から『ジョジョ』を分析。

 たとえば第4部では、殺人鬼の吉良吉影が顔を変えて妻子持ちの男に成りすまし、一般家庭に潜伏。ところが妻は、“夫がワイルドに変貌した”ことで惚れ直してしまう。どうして女は、悪い男に惹かれてしまうのだろう?
「前の夫がテストステロンの低い男性で、妻は物足りなく感じていたのではないでしょうか。テストステロンの低い男性は、子供の面倒見がいいマイホームパパになる可能性が高く、協調的で従順という長所がある反面、逞しさや判断力などの男性的魅力が不足し、「頼りない」といった短所があります。テストステロンの低い男性と激しい恋愛は難しいので、高テストステロンのワイルドな男性に惹かれたんでしょうね」と森川教授。

 ほかにも森川教授は「恋愛学的に『戦い』と『恋愛』に相関関係はあるだろうか?」という問いに対して男性ホルモンの高まりと性欲・恋愛との関係性を、「草食系男子と肉食系女子のような恋愛のミスマッチ」というテーマで追う・追われる心理などを解説。作中のさまざまな男女関係から『ジョジョ』を読み解いている。

文・取材=大寺 明
(『ダ・ヴィンチ』8月号「『ジョジョの奇妙な冒険』連載25周年 JOJO=JAPAN」特集より)