『聞く力』がプチ暴露! あの人たちの素顔

芸能

2012/7/17

 40万部を突破した『聞く力 心をひらく35のヒント』(阿川佐和子 文藝春秋)。本書は『週刊文春』の名物連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」や、『ビートたけしのTVタックル』でもおなじみの著者・阿川佐和子が、これまでの出会いを基にコミュニケーション術を披露したもの。さすがは聞き上手なだけあり、説明も上手。さまざまなエピソードを交えた文章に、ぐいぐい引き込まれる1冊だ。

 しかし、本書はインタビューの裏側を明かしている部分も多く、そのため有名な人物の意外な素顔が“プチ暴露”されているのも読みどころといえよう。

 たとえば、萩原健一へのインタビュー時のエピソード。取材前にマネージャーから、本人はお遍路めぐりの話をしたがっていると説明を受けていたという。人生を語ってほしいのにお遍路話でいいのか……と悩むスタッフ一同。しかし、いざインタビューになると、そのお遍路話がとても面白かったそう。そして、波瀾万丈なお遍路苦行話こそ、ショーケンの人生そのものだと気付いたというのだ。だが、インタビューをお遍路話のワンテーマで押し切るというのは、それこそショーケン! というべきか。

 一方、脱線の女王といえば、黒柳徹子だろう。テレビ番組のインタビューで千代紙について話をしていたのに、「わたくしね、スパイになりたかったの」と千代紙の話題から飛躍して突然の告白。しかも、小学校のときに好きだった男の子に「お喋りは、スパイになれない」と一蹴されたという。司会者としても強敵として芸人たちが戦々恐々とする黒柳。インタビューするのは、よりいっそうハードルが高い!?

 渡部篤郎のエピソードも興味深かった。対談中は「どんな質問にもニヒル」で、まったく盛り上がる気配がない。なのに、終了時間間近に「非常に話しやすい」と言われたらしい。阿川は“楽しくても楽しくなさそうに見える人もいるから、決めつけはよくない”という教訓を得たそう。たしかに、映画やドラマのプロモーションでバラエティに登場する渡部は、いつもむっつりした態度に見えがち。「不機嫌なのかな」といらぬ心配をしてきたせいか、なぜか深く安心させられた。

 このほかにも、意外な話題がたくさん登場する『聞く力』。コミュ力をアップしたい人だけではなく、インタビューの裏側が知りたいという人にもオススメだ。