約3,000人の絵本屋さんが選んだ絵本1位は『あつかったら ぬげばいい』!「MOE絵本屋さん大賞」にヨシタケシンスケ作品が数多くランクイン

マンガ

公開日:2020/12/29

 全国約3,000人の絵本屋さんが、今年もっともオススメしたい作品を選ぶランキング「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」。その結果が2020年12月28日(月)に明らかとなり、栄えある第1位はヨシタケシンスケによる『あつかったら ぬげばいい』が受賞した。

『あつかったら ぬげばいい』(ヨシタケシンスケ/白泉社)

 ヨシタケは『りんごかもしれない』や『もう ぬげない』など、数々のヒット絵本を生み出してきた人気作家。今年8月に刊行された『あつかったら ぬげばいい』は、「ヘトヘトにつかれたら」「ふとっちゃったら」「だれもわかってくれなかったら」「せかいがかわってしまったら」など、さまざまな疑問に痛快に答えていく作品だ。

 第2位には、お茶目で憎めない“パンどろぼう”の活躍を描いた柴田ケイコの『パンどろぼう』がランクイン。第3位に選ばれたのは、言葉と言葉をつなぐ“の”というものの不思議な力を解き明かす、junaidaによる意欲作『の』だった。

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 トップ10までのランキングを見てみると、ヨシタケ作品が合計で4つ選出されるという人気っぷり。第7位の『ねぐせのしくみ』、第8位の『わたしのわごむはわたさない』、第10位の『もしものせかい』と、いずれも読者から熱狂的な支持を得ている作品ばかりだ。

 また、「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」では、例年贈賞されている「新人賞」と幼児向け絵本を対象とした「パパママ賞」が以下の作品に決定。「新人賞」の1位は、俳優・香川照之の絵本第一作『INSECT LAND ホタルのアダムとほしぞらパーティー』(ロマン・トマ:絵)に。「パパママ賞」の1位は、工藤ノリコによる『ノラネコぐんだん カレーライス』という結果となった。

『INSECT LAND ホタルのアダムとほしぞらパーティー』(作:香川照之、絵:ロマン・トマ/講談社)

『ノラネコぐんだん カレーライス』(工藤ノリコ/白泉社)

 同日に発売された絵本の雑誌『MOE』2月号では、「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」について巻頭大特集。ベスト30に選ばれた作品の紹介や、5位までにランクインした作家へのインタビューが掲載されている。1位に選ばれたヨシタケは、インタビューにおいて受賞の感想や作品に対するスタンスなどをコメント。『あつかったら ぬげばいい』は挑戦的な作風だったことから、「こんなことやっちゃっていいのかしら!?」というドキドキ感があったと語っていた。

『MOE』2月号(白泉社)
表紙イラスト:ヨシタケシンスケ

 同誌では他にも「世界の絵本賞」の紹介記事や、ムーミンの最新情報などを掲載。特別付録として、画家・ヒグチユウコによるカレンダーも登場した。A4サイズ16ページの豪華仕様で、描き下ろしの絵も収録されており、ヒグチによる独創的でキュートな世界観を堪能できるはずだ。

ヒグチユウコ:絵、名久井直子:デザイン

 なお白泉社の公式YouTubeチャンネルでは、「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」表彰式の模様が動画として投稿されている。受賞作家たちのコメントを映像と共に楽しめるので、気になる作品がある人はぜひチェックしてみてほしい。