会計時に75円分を1円硬貨で支払おうとした70代男性が話題になった話

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公開日:2021/1/18

会計時に75円分を1円硬貨で支払おうとした70代男性が炎上した話

 現代社会では何をするのにも“お金”が必要。ですが貨幣や紙幣が一体どんなルールで使用されているのか、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。今回はそんなお金にまつわる豆知識を解説していきます。

1円玉を75枚使ったら「営業妨害」に?

 9月16日付けの「四国新聞」に掲載されたある投稿が、ネット上で大きな話題を呼んでいます。大型スーパーに訪れた70代の投稿者は、お会計の際に75円分を1円硬貨で支払えないかと店員に向かって質問したそう。

 すると20枚以上の小銭は受け取れないと説明された上、“営業妨害になる”と告げられることに。最終的に店員は小銭を受け取ったものの、「次からはお断りします」と言われてしまったといいます。

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 投稿者はこうした対応にショックを受けたようですが、SNS上ではお店側に同情する声が続出。「レジのスタッフさんだけでなく他のお客さんの迷惑にもなる」「複数回に分けて使えばいいだけなのでは…」「最近の銀行は既定枚数を超えた硬貨で入金すると手数料取られることもあるから、お店としては嫌がるだろうな」といった声が上がっていました。

 同様のケースでは、お店側には小銭の受け取りを拒否する権利があるようす。「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」では、貨幣が通用するのは額面価格の20倍までだと記されているため、同じ貨幣は20枚までしか使えないことがわかります。

 ただし財務省のサイトによると、この規則は取引をする相手の了解を得られるなら「それを妨げるものではない」とのこと。あくまで相手に迷惑をかけない範囲で許されているのだと言えるでしょう。

破損した紙幣は価値下がるって本当?

 その他にお金の受け取りを拒否されるケースとしては、紙幣がボロボロに傷んでしまった状況が考えられます。そのような紙幣は日本銀行の支店に持っていけば、新品と交換してもらうことが可能。ただし交換の際には一定の基準が設けられています。

 紙幣の3分の2以上が残っている場合には全額引き換えできますが、面積が「5分の2以上、3分の2未満」の場合には半額に。5分の2未満しか残っていないと、交換してもらうことができません。

 引き換えを依頼する際には、免許証などの本人確認書類が必要になるので要注意。また、紙幣の傷み具合が少なかった場合は民間の銀行でも交換してもらえるようです。

 ちなみに日本銀行のサイトでは、破損して使えなくなった紙幣は細かく裁断されていると説明されていました。裁断によって生まれた屑は焼却処分されたり、トイレットペーパーなどにリサイクルされることに。紙幣が処分されるまでの“平均寿命”は1万円では4~5年程度で、使用頻度が多い五千円や千円は1~2年と短めになっているそうです。

 普段使っているお金がどこから来てどこに行くのか、たまには思いを馳せてみてはいかがでしょう?