男同士で結婚？ “花嫁もの”BLが人気

　BL（ボーイズラブ）で“花嫁もの”が人気だ。男同士なのに花嫁？ と疑問に思うかもしれないが、実はBLには実際に結婚してしまう“花嫁もの”という一大ジャンルがあるのだ。
　ひと言で“花嫁もの”と言ってもいろいろある。「姉や妹の代わりに女装して結婚する身代わりもの」、「借金の肩代わりや幼い頃に交わした約束を果たすために現れて有無を言わさず連れ去るもの」「神様や天狗、動物などに気に入られて嫁にさせられるもの」「告白して付き合って同棲して……といった段階を踏んで結婚するもの」など、実にさまざまだ。

　そんな花嫁ものの共通点は、一途で強引な攻めと、なんだかんだ言っても甘い2人の関係だろう。BLという性を超越した世界でも、幸せの最終形が「結婚」というのは意外だが、実際はなかなか実現できない「結婚」をしたカップルは男女のそれと同じく強く結ばれ、それ以上にお互いを愛し合っている。だからこそ傍から見たらバカップルに見えるほどラブラブなのだろう。男女の夫婦では、ここまでラブラブになれない気がする。BLというファンタジーの世界でぐらい幸せであってほしいということだろうか。

　そんな“甘い花嫁もの”で有名な水瀬結月の新刊『花嫁なんかになるもんか』（水瀬結月、御景 椿／リブレ出版）が7月19日に発売された。突然兄に「1億円でお前のバージンを買おう」と言い出す兄の親友・甲斐。主人公の千里は大好きな兄を守るため、甲斐に自分を買って欲しいとお願いする。大嫌いだったはずの甲斐に花嫁になれと命じられた千里は、一緒に暮らすうちにだんだんと優しい甲斐に惹かれていき……。2人の幸せな結婚生活で癒されてみてはいかがだろう。