恩田陸、角田光代、辛酸なめ子らが笑った本

文芸・カルチャー

2012/7/20

 『考える人』(新潮社)夏号の、「“笑いの本”マイ・ベスト3」がおもしろい。作家や学者、ミュージシャンなど著名人総勢38人が「笑い」についての本を3冊ずつ紹介している。
読んで笑ったというだけでなく、笑いについて考えさせられた本なども紹介してあり、そのラインナップはマンガや写真集から海外文学、辞典など実に幅広い。

その中からいくつか紹介してみよう。

まず、恩田陸が選んだのは「“取り違え”“すれ違い”“繰り返し”など、“笑い”の約束事というものを理解した」と語る山中恒の『トリオ・ザ・ボイン』(国土社)。それと、清水義範の『インパクトの瞬間』(筑摩書房)、「悲喜劇が背中合わせの世界である」ことを学んだという阿佐田哲也の『ぎゃんぶる百華』(角川書店)をあげている。

角田光代が声をだして笑ったというのは、内田百聞の『間抜けの実在に関する文献』(筑摩書房)、深沢七郎の『言わなければよかったのに日記』(中央公論社)、片岡Kの『ジワジワ来る○○』(アスペクト)。「かなしみはある程度共有できるけれど、おもしろい、おかしい、という感情はみんながみんないっしょというわけではない」と語る角田は、ひとりでこっそり楽しみたい派らしい。確かに、電車の中や図書館で本を読んでいるときに声をだして笑ってしまうとかなり恥ずかしい思いをするので、正しい選択かもしれない。

マンガ家・コラムニストの辛酸なめ子は、しりあがり寿の『エレキな春』(白泉社)やみうらじゅんの『カスハガの世界』(筑摩書房)、『宇宙人大図鑑』(中村省三、グリーンアロー出版社)など、イラストやマンガを“見て”笑うタイプのようだ。

ほかにも、いしいしんじや大宮エリー、池谷裕二など豪華な顔ぶれが揃っている。彼らが選ぶのは一体どんな笑いの本なのか?
この企画は「笑いの達人」特集内のもので、特集ではほかに、南伸坊と養老孟司の対談や狂言・落語、漫才について語られているもの、三浦しをんや西加奈子らの笑いにまつわるエッセイなど気になるページが盛りだくさん。

みなさんも自分の笑いについて考えてみては?