「1年以上発売を待ちわびていました…!」若手能楽師の「お能」ライフを描く『花よりも花の如く』20巻に反響続出

マンガ

公開日:2021/3/22

花よりも花の如く 20
『花よりも花の如く 20』(成田美名子/白泉社)

 若手能楽師の魅惑的な「お能」ライフを掘り下げ、主人公・憲人の奮闘ぶりを追う『花よりも花の如く』の20巻が2021年3月5日(金)に発売された。約1年2カ月ぶりとなるコミックスの発売に、SNSなどでは「新刊をお待ちしていました! うれしいです!」「1年以上発売を待ちわびていました…!」といった声が上がるなど、大きな注目が集まっている。

 最新の20巻では、憲人が「安達原」を演じるまで2週間を切り、曲の研究に余念がない。些細なことがきっかけで仲間との間に距離を感じたり、家に送られてきた不審な手紙に心を惑わされたりしつつ、本番を迎えることに――。

 ちなみに「安達原」とは、鬼として生まれた女の哀切と秘密、怒りなどを描いた能の演目。恐ろしいながらも悲哀を残した女の表情が印象的な作品となっている。「安達原」を作中で取り上げた作者の成田美名子に対しては、「人は簡単に鬼になるという日常のお話につながる展開、さすがです」「『人か鬼か』。能って深いなー。っていうか、作者さんの感性が深い」「今回の巻も良かった~! 奥州安達原にゆかりのある鬼女伝説が深掘りされていてうれしい」といった反響が。

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 また、サブキャラクターである「じいさま」への愛を語る人も多く、「やっぱりじいさまいいな」「迷える憲人に心強い味方はやっぱりじいさま。じいさまの顔を見ただけで安心感がすごい」「久しぶりにじいさまの顔を見られてうれしかったー!」「じいさま、相変わらずフットワークが軽くて素敵」といった声が続出している。

 コミックスの1巻が発売されたのは2003年。長期連載している同作には、「高校生の頃から読み始めて、今もずっと読んでいる」など、昔から追い続けているファンもたくさんいる。能という普段触れる機会が少ない題材を取り上げているにもかかわらず、分かりやすく味つけされたストーリーが心をつかみ、この作品をきっかけにして能に興味を持つ人もいるようだ。

 “ポンコツ”でありながら魅力的な憲人が成長していくさまを、見守っていきたくなる同作。最新刊では、人の心の揺らぎを上手くとらえているので、ぜひ手に取って堪能してみよう。

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