オリジナル回帰中のドラマ界 原作の生かし方も変わってきた!?

テレビ

更新日:2012/8/6

 7月期の連続ドラマがスタートした。民放ドラマは、昨年成功した『家政婦のミタ』や『マルモのおきて』の追い風もあり、オリジナル脚本に回帰する傾向が強くなっている。7月期も17本のうち(20~23時台放送を対象)原作モノは7本。オリジナルが6割を占める。


 そんな状況ではあるものの、オリジナルより知名度のある原作モノは、やはり安定して強い。2~3話分が放送終了した時点での夏ドラマの視聴率は、『京都地検の女』(テレ朝系/木曜20時)などのシリーズを除くと、1位にAKIRA主演で14年ぶりに復活した『GTO』(フジ系/火曜22時)、2位に向井理主演の『サマーレスキュー』(TBS系/日曜21時)、3位に仲間由紀恵が『ごくせん』スタッフと再タッグを組んだ『ゴーストママ捜査線』(日テレ系/土曜21時)となった。『GTO』と『ゴーストママ~』がマンガ原作だ。

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 この2作は10年以上前に連載された原作だが、『GTO』ではスマホやiPadを自在に使いこなす高校生が描かれていたり、『ゴーストママ~』ではドラマ化に合わせマンガの続編を新たに発表するなど、“今”をうまく演出している。原作モノの増加で「面白い原作が枯渇している」という声が映像界から言われて久しい昨今。昔の作品を掘り起こし現代とリンクさせるのはもちろん、『GTO』の「人気原作」→「ドラマが大ヒット」→「リメイク」のような、強い原作を使った新たな手法も生まれてくるかも。

文=平山ゆりの/日経エンタテインメント!
(ダ・ヴィンチ9月号「出版ニュースクリップ」より)