サンデルVS松岡修造 “白熱”しているのはどっち?

文芸・カルチャー

2012/8/8

 白熱対決! サンデル教授と松岡修造のガチバトルが勃発!?
いま、“熱さ”を売りにする有名人といえば、『ハーバード白熱教室』(早川書房)のサンデル教授と、日本が誇る熱血漢・松岡修造が二大巨頭といえるだろう。サンデル教授は『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』(早川書房)が哲学書として異例のベストセラーを記録。一方、松岡は、テレビ朝日のロンドン五輪メーンキャスターとして、ゴールデンタイムでも早朝でも変わらない行き過ぎた興奮度で番組を盛り上げている最中だ。この、あまり接点があるとは思えない2人の“白熱対決”が、話題の本『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(クロスメディア・パブリッシング)のなかで行われている。

 本書では、人間関係を円滑にするには、まず自分の心を温めることが大事だと提唱。そのなかで、心の温め方を指南すべく、「サンデル教授と松岡修造ではどちらが白熱しているか」という項目を立てているのだ。

 抜粋すると、サンデル教授は熱血とはほど遠く、知的で冷静な印象。しかし、講義では、議論を活発にするために喩え話を交えながら興味を掻き立てていく。これこそが、人の心の温度が高まる秘密だという。また、熱さとゆるさの緩急も重要で、著者はフォローを入れつつも「松岡修造さん的な熱弁をふるったりはしません」とキッパリ。そして、項目の締めには「本当に心の温度が高い人というのは、自分の都合を一方的に押しつけるのではなく、相手の立場に立ったものの見方や考え方、立ち居振る舞いのできる人なのです」と綴り、明言は避けているものの、やんわりサンデル教授に白星を与えている。

 だが、人の心を温めるか否かはわからないが、松岡の熱血には救われる部分も多い。8月2日に発売された松岡の著書『大丈夫! キミならできる!』(河出書房新書)には、こんなに熱く、勇気あふれる言葉がずっしり詰まっている。

 「自分の心がわからない? 大丈夫、僕だって全然わからない!」「「声が小さい」と言われたら、大声でブラジルまで叫んでやれ!」「さぁモヤモヤしない道へ進むんだ、オレ!」「やったぜ! 不安になってきた!」
不安さえもポジティブに受け止める! これこそが松岡流だ。

 ネット上では数年前から松岡修造MADが人気を集め、「できるできる! ガンバレガンバレ!」「富士山のように日本一になるって言っただろ?」「ダメダメダメ! 諦めたら!」と、無根拠な気合に圧倒される人が続出しているが、実はそのひとつひとつに松岡解釈の根拠はあるということが、この著書を読めばわかる。サンデル教授との対決では敗れたかもしれないが、松岡の独自すぎる熱さは、「ポジティブに勝るものなし!」「大雑把でも楽しく生きていけそう!」という勇気をくれるはずだ