アタマだけでなくカラダも総動員! 堺雅人の記憶術

芸能

更新日:2012/11/21

  記憶術といえば、ビジネス本でも非常に人気の高いジャンル。そこではさまざまなアイデアや実践法が紹介されているが、気になるのは“覚えることが仕事”でもある役者の記憶術だ。果たして、ドラマや映画の撮影を掛け持ちする人気俳優は、どうやって台詞を覚えているのだろう?

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 そのヒントをエッセイで明かしたのが、俳優の堺雅人。2004年に放送されたNHK大河ドラマ『新選組!』の山南敬助役で一躍ブレイクした後、2008年の『篤姫』で老若女子の心をわし掴みに。最近では、フジテレビの連続ドラマ『リーガル・ハイ』でまたしてもその高い演技力で話題をさらった“旬”の役者である。

 彼が記憶術について触れたのは、『CREA』(文藝春秋)8月号の連載でのこと。空海が大悟した「虚空蔵求聞持法」と、古代ギリシャの詩人であるシモニデスの記憶術を紹介している。その上で、
「脳ミソだけでなく、五感や筋肉も総動員すれば、おぼえかたはグンとひろがるのではないか。(中略)いや、もういっそのこと、「セリフおぼえは、アタマでなく、カラダでするものだ」とひらきなおってはどうか」
と綴っている。

 堺が書いている“身体や五感を使った”記憶術は、実際に有効な方法として取り上げられることも多い。たとえば、『記憶力日本選手権チャンピオンが明かす 図解 スーパー[実用]記憶術』(藤本忠正/アスペクト)には、ヨガなどを用いた“運動パターン記憶術”が紹介されているし、『記憶力世界一チャンピオンのマル秘記憶術』(ドミニク・オブライエン/産調出版)でも、記憶と五感の関係について書かれている。

 また、堺が紹介したような“記憶術の古典”をもっと知りたければ、『ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由』(ジョシュア・フォア/エクスナレッジ)がオススメ。記憶する力を高める方法だけでなく、記憶術の世界の奥深さも体験できるはずだ。

 しかし、虚空蔵求聞持法やシモニデスをピックアップするあたりが、堺らしいところ。以前、『おしゃれイズム』(日本テレビ)に出演した際は、仕事で禁煙した後に再び吸うか吸わないかで悩み、タバコをあらためて見つめ直すために煙草の博物館に足を運んだというエピソードを紹介していたが、こういう部分も堺の魅力のひとつ。そんな持ち味である“勉強熱心さ”は、記憶術の捉え方にも表れているようだ。