絵本作家の父と過ごした幼少期のエピソードが満載! 『大家さんと僕』の矢部太郎による最新作が父の日前の6月17日発売決定!

マンガ

公開日:2021/5/10

ぼくのお父さん
『ぼくのお父さん』(矢部太郎/新潮社)

 仕事人間の父、不器用ながら子ども思いな父など、世の中にはさまざまな父がいる。もうすぐ訪れる父の日には、自分の父に思いを馳せる人も多いだろう。そして、ちょっぴりふしぎな父子関係に触れてみたいなら、6月17日(木)に発売が決定した、芸人・漫画家の矢部太郎による最新作『ぼくのお父さん』(新潮社)を読んでみるのがおすすめ。ほんわかした気分になれることうけあいだ。

 矢部太郎といえば、お笑い芸人としてだけでなく俳優としても活躍し、また初めて描いた漫画『大家さんと僕』(新潮社)は第22回手塚治虫文化賞短編賞も受賞している。そんな彼の新作は、実の父である絵本作家・やべみつのり氏と、自身の幼少期のエピソードを描いた漫画。40ページ超の描き下ろし、全編オールカラーの豪華版なので、ぜひ手にとってみて欲しい。

ぼくのお父さん
矢部太郎『ぼくのお父さん』より

 家にいて、ずっと絵を描いているお父さん。ふつうじゃなくて、ふしぎでちょっと恥ずかしい。ただの変わり者? それとも――。絵本作家の「お父さん」と幼い「ぼく」のほのぼの漫画は、40年前の東京・東村山を舞台に、つくし採取、自転車の二人乗り、屋根から眺めた花火など、普遍的でノスタルジックな心温まるストーリー。

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 子どもを見守りながら、同じ目線で共に遊ぶ。常識にとらわれず、のびのびと子どもと向き合い、ときに親自身も成長していくエピソードは、いまの子育て世代にこそ届けたい家族の姿だ。

矢部太郎とやべみつのり氏
(c)新潮社

 今作のモデルとなった矢部太郎の「お父さん」は、絵本・紙芝居作家のやべみつのり氏。発表した絵本作品に『かばさん』『ふたごのまるまるちゃん』『あかいろくんとびだす』『色セロハンあそび ぼくはうみ わたしはひかり』などがある。小柄でやさしそうな笑顔は矢部太郎そっくり。

矢部太郎
(c)新潮社

 著者である矢部太郎は、発売に先駆けて以下のコメントを寄せている。

子どもの頃、いつも一緒に遊び、絵を描いていた父が「みんなのお父さんとは違うなぁ」とふしぎで、はずかしいこと、わからないことがたくさんありました。漫画に描くうちに…… 余計にわからなくなりました(笑)。父に読んでもらったら、「こんな理想の父親みたいに描かないでよ~」と言われて、どこをどう読むとそうなるのか、やっぱりわかりません(笑)。そんな『ぼくのお父さん』、みなさんも何か忘れていたことを思い出してもらえたりしたら嬉しいです。あと、ちょっと笑ってもらえたらさらに嬉しいです。

 読みながら、「こんなところは違うな」「ここは似ている!」など、自分の父と比べてみるのもまた一興。「ぼく」と「お父さん」の間に漂うやさしい空気に包まれて、おだやかでほっこりしたひと時を楽しもう。

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