人に注目されると作業効率がアップ!? 管理職必見の「ホーソン効果」

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公開日:2021/6/3

人に注目されると作業効率がアップ!? 管理職必見の「ホーソン効果」

 仕事をするうえで、「どうしたら効率が上がるのか」は最大の課題ですよね。人間の心理に訴えかける「ホーソン効果」を上手に使えば、仕事の効率アップが期待できるかもしれません。

「注目されてる」と感じることで生産性アップ!?

「ホーソン効果」とは、「周りの人から注目されることで自分の成果が上がる」という心理的な効果のこと。由来は以前、アメリカのホーソン工場で行われた実験です。働く環境がどんどん劣悪になっても、監督役との関係が良好であれば生産性はアップしたそう。作業効率を上げるために必要なのは、労働条件の改善だけではないことがわかりました。

 同実験から転じて、「人に注目されている」と感じる気持ちが良い方向に表れることをホーソン効果といいます。このホーソン効果を上手に利用した制度が、ディズニーの「スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート」と「ファイブスタープログラム」。

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「スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート」とは、キャストが素晴らしいと思ったキャストにメッセージを交換する制度で、その中から「スピリット・アワード」受賞者が選ばれます。キャスト同士がお互いの働きをたたえあうことで、従業員のモチベーションアップに繋げていきます。

「ファイブスタープログラム」は、素晴らしいパフォーマンスを発揮したキャストに「ファイブスターカード」を渡す制度。カードを渡された人には記念品が贈られたり、特別プログラムへの参加も許されます。

 どちらの制度も「見られている」と意識させるため、キャスト同士で声をかけあう機会が多くなって交流促進にも繋がりそうですね。

「ピグマリオン効果」との違いって?

 同効果について、ネット上では「なるほど! 職場に人がいなくなった途端にやる気がなくなるのはそういうことだったのか」「人に見られると責任やプレッシャーにもなりますが、『良い所を見せよう』って頑張れる気もします」「努力するための秘訣は、人に見られる環境ってことかな」といった声が続出しました。

「気持ち1つで仕事の効率が変わる」という意味では、「ピグマリオン効果」も似たような効果があります。アメリカの教育心理学者であるローゼンタールが発表した心理学用語で、教師が「期待をかけた生徒」と「そうでない生徒」には成績の伸びに明らかな違いが見られたそう。

 例えば部下などに「期待している」と伝えることで、言われた側は「期待に応えよう」と奮起する効果が。似たような効果ですがホーソン効果と違い、教師や生徒・上司や部下といった上下関係が存在する場合に成り立ちます。期待感への意識が変わるだけで、生産性に違いが出るのは興味深いですよね。

 伸び悩んでいる人や壁を感じている人は、人に注目される環境を作ることで突破できる可能性も。ホーソン効果を上手に使って、モチベーションと作業効率をアップさせましょう。

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