ラノベで学ぶ ブラック企業で生き抜く方法

ビジネス

更新日:2012/8/15

 就職難と言われる時代の中、やっとのことで就職した会社がブラック会社だった。なんてことも珍しくない。そんな新入社員におすすめのライトノベルが『なれる!SE』(夏海公司、Ixy/アスキー・メディアワークス)シリーズだ。

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 『なれる!SE』は、いわゆるブラック会社に入社してしまった新入社員・桜坂工兵とその上司でどう見ても中学生ぐらいにしか見えないベテランSE(システムエンジニア)・室見立華が繰り広げるデスマーチを描いたもの。

 桜坂は求人広告に掲載されていた“Yさんの日常”に感動して、スルガシステムにエントリーした。――――文系出身で専門知識もないが、顧客には一人前の働きを期待される。そんな中で何度も諦めそうになりながら先輩社員に励まされ、挫折と再起を繰り返して大規模プロジェクトを成し遂げる。そうして勝ち取った顧客からの感謝の言葉は、何にも代え難い喜びとなる――――。そんな世界に憧れて入ったはずなのに、会社にはYさんなんておらず、待っていたのは想像を超える過酷な労働だった。

 SEの仕事は、家に帰れないのなんて当たり前。冷蔵庫のように寒いデータセンターで寝泊まりさせられ、ろくに新人教育も行われず、すぐに専門的な仕事を任される。残業しても残業代なんて出ず、期限に追われ、バグや顧客のむちゃぶりに翻弄されながら身体や精神を壊していく。

 騙された! こんなの無理だ。そう思った桜坂も、1度は会社を辞めようとした。でも、室見に「逃げるつもり?」と言われ悔しくて、見返してやりたくて独学で一夜漬けする。そうして作り上げたネットワークがつながったとき、なんとも言えない快感が桜坂を襲った。

 そして、完璧な作り話だと思っていたYさんの話も、実はSEの話をもとに作ったものだった。みんな愚痴を言いながらもSEを続けるのは「何かを自分の手で作り上げる快感」があるから。「優秀なエンジニアとパソコンさえ揃えば、ただひとりで大企業より優れたシステムを組み上げられる」。そんなやりがいがあるから続けられるのだと。これはどの仕事だって同じだろう。その仕事なりの“やりがい”がある。それに魅了されてしまったら、どんなに辛くても離れられなくなってしまうのだ。

 そんな、SEに魅了された桜坂が奮闘する『なれる!SE』の7巻が8月10日に発売された。さらには公式サイトもオープンし、50分もの無料ボイスドラマやキャラクターが悩みに答えてくれる「なれる! SE 相談室」など、注目のコンテンツも盛りだくさんだ。

 あなたもSEの世界に魅了されてみては?

●『なれる!SE』公式サイトhttp://nareru-se.dengeki.com/

⇒『なれる! SE』の書籍は こちら