東南アジアなんて二度と行くか! 元ニートが語る旅の極意

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更新日:2012/8/15

 自称「元・引きこもり」。彼女にフラれてインドに飛び、帰国後『インドなんて二度と行くか! ボケ!!…でもまた行きたいかも』で作家デビューを果たしたさくら剛さん。以後、「○○なんて二度と行くか! ボケ!!」は大人気シリーズに。そんなさくらさんに、旅行の極意をうかがった。

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「アジア、特に東南アジアは過ごしやすいですね。アフリカ~中東と旅していた間、ボクは旅が楽しいと思ったことは1回もありませんでした(笑)」

 さくらさんはこのたび、人気シリーズの最新刊『東南アジアなんて二度と行くかボケッ!』を刊行。東南アジアの旅の魅力は、(都会)と(地方)の混在だという。
「旅に疲れたら日本的な大型デパートで休憩もできるし、少し足を延ばせば部族の村のような〈旅情〉を感じられる場所もある。アフリカはどこも辺境で、〈旅情〉しかなくて(笑)。それらが両方あって、“どっちかに疲れたら片方に行く”と選べるのが東南アジアのいいところじゃないでしょうか」

 自分を鍛えるために一人旅に出た、さくらさんの旅の仕方とは?
「実は、旅に出ると、観光気分で(笑)。必ず事前にガイドブックをメチャメチャ取り揃えて、全部持って行きます。重いんですけど……。ボクは、ガイドブック以上の出来事は特に望まないので、その内容通りに観光します。でも、なんかトラブルが勝手にやってくるんですよね(苦笑)。ガイドブックを持たない旅はワイルドですけど、“世界遺産の横にいたのに、情報がなくて行けなかった”というのはすごくもったいないと思います」

 では、安旅のエキスパートからアドバイスを。
「お金を使うべきところでは、ちゃんと使うほうがいいですね。今思うと“なんであの500円をケチったんだろう”って本当に後悔することがあるんです。宮殿の入場料をガマンして外から写真を撮ったり、現地の名物料理を食べずに節約したり……。あと、旅にはリスクもあるけど、可能性もある。ボクも、ただのニートから一応“作家”という肩書きを持てましたし(笑)。これも旅の魅力ですね」

取材・文=あつしな・るせ
ダ・ヴィンチ9月号「文庫ダ・ヴィンチ アジア魅惑の旅文庫」より)