『闇金ウシジマくん』にも負けない 最もヤバいダークヒーローは誰?

マンガ

更新日:2012/8/27

 7月に『ダークナイト ライジング』が公開され、オープニング2日間で3億円以上の興行収入を記録。8月25日にはそのリアルすぎるストーリー展開で、読者の気持ちを暗い方向に揺さぶると評判の『闇金ウシジマくん』の映画が公開される。

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 そう、今、典型的なヒーロー像から逸脱したアンチヒーローと呼ぶべきダークヒーローたちが話題だ。そこで今回はさまざまなマンガに登場するダークヒーローをかたっぱしから調べ上げ、ダークっぷりをランキングしてみた。そのベスト5を発表しよう。

■第1位 アーカード 『HELLSING』(平野耕太/少年画報社)
栄えある第1位は、吸血鬼の脅威からイギリスを守る組織、「ヘルシング機関」のメンバーでもあり、物語の主人公でもあるアーカード。自身も吸血鬼でありながら、人間の側として吸血鬼の討伐を行う、まさにダークヒーロー。しかも、敵と判断したならば人間相手でも容赦はしない。「私は殺せる 微塵の躊躇も無く 一片の後悔も無く 鏖殺できる この私は化物だからだ」。吸血鬼でなく人間を相手にせざるを得なくなった状況で放ったこのセリフは、アーカードのダークっぷりを如実に表しているだろう。

■第2位 夜神月(やがみ ライト) 『DEATH NOTE』(小畑 健、大場つぐみ/集英社)
人の名前を書くとその人物を殺すことができるという能力をもった「デスノート」を利用し、「正義の世界を実現」しようと世界中の凶悪犯をすべて殺すことを考え、実行する夜神月が圧巻の2位。裏と表の顔を使い分け、目的のためなら、家族や友人、恋人まで利用する月の非情さはダークのお手本。「僕が悪だと………僕は正義だ!!
悪に脅える弱い者を救い 誰もが理想とする新世界の神となる男だ そしてその神に逆らう者! それこそが悪だ!!」というセリフもしびれる。

■第3位 七嶋裕之(ななしま ひろゆき) 『砂の栄冠』(三田紀房/講談社)
清廉潔白な高校野球を、金というブラックなテーマから切り開いた『砂の栄冠』。その主人公、七嶋裕之はある人物から託された1000万をつかい、強豪ひしめく甲子園へと挑む。こう書けばダークからはほど遠いように思えるが、七嶋は金以外でも、さわやかな高校球児を“演じる”ことや、応援客を“味方”につけるなど、あの手この手をつかい、実力以上の相手から勝ちをもぎとろうとする。勝負に対するそのダークすぎる姿勢は、もはや逆に清々しいほど!? ちなみに作中でも、何度も“黒い”顔を見せてくれるお茶目なヤングボーイだ。

■第4位 佐藤十兵衛(さとう じゅうべえ) 『喧嘩商売』(木多康昭/講談社)  
自身はもちろん、周辺の人間のプライベートをも構わずネタにする外道マンガ家こと木多康昭の描く『喧嘩商売』の主人公、佐藤十兵衛。弱冠17歳ながら、ケンカに勝つため、勝負に勝つためには手段を選ばず、金的、目突き、禁じ手、凶器、果ては空き缶まで、何もかもを利用して相手を圧倒する様は、まごうことなきダーク。その立ち振る舞いは、勝負の本質とはなにかを読者に問いかけてくるようでもある。

■第5位 城石 一(しろいし はじめ) 『殺し屋1』(山本英夫/小学館) 
殺し屋として、究極のサドとしてマンガ界に輝く変態(ホメ言葉)の星、イチこと城石一が5位にランクイン。ジジイと呼ばれる人物の依頼を受けて、さまざまな殺しを請け負うが、その殺しっぷりは残虐そのもの。しかも殺しのあとには必ず恍惚の表情で○○○を……もう、これ以上は無理! 続きは各自の目で確かめてほしい。 このイカれたダークっぷりで堂々の5位!

 いかがだっただろうか。ヒーローと相反するダークヒーローたち。彼らの行動は「ひどい」と思われることも多いかもしれないが、その裏に隠された物事や理由を探れば納得できる部分があるのも事実。人になんと思われようと関係ない、ただ自分の目的をクールに達成する。多くの人が空気を読むことに汲々としている今だからこそ、そんなダークヒーローたちがより魅力的に映るのかもしれない。

 今後も、そんな彼らの活躍から目が離せそうにない。