ユニフォームを「2色制」にしたら残業が激減!? “可視化”がポイントに

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公開日:2021/7/2

ユニフォームを「2色制」にしたら残業が激減!?

目に「見える」ことで業務の効率化が実現!

 看護部の将来像として、「働いてよかった。働き続けたいと思える組織になる」「人材(財)豊富な組織になる」と掲げている熊本地域医療センター。同センターで導入されたのが、勤務帯(日勤・夜勤)によって制服の色を変える「ユニフォーム2色制」です。

 同センターでは令和元年度の目標のひとつに「時間管理」をあげていて、ユニフォーム2色制も「『時間管理』に欠かせない仕組み」と説明。勤務帯の区別につながり、上手な仕事の引き継ぎを可能にするシステムなのだそう。

 ユニフォーム2色制などが評価された熊本地域医療センターは、「看護業務の効率化 先進事例アワード 2019」において最優秀賞を受賞。2020年1月には「熊本日日新聞社」でも取り組みが紹介され、2018年度の1人あたりの残業時間が約20時間まで減少したと伝えています。

 労働改革を成し遂げた同センターに、ネット上でも「簡単なことだけど、こういう発想が大事だと思う」「最新のテクノロジーを使わなくても、改善できる点はたくさんあるということ。素晴らしい事例ですね」と評価する声が。

 また「誰かに仕事を振る場合、長時間勤務の人を避けられるから仕事の『見える化』は大事」「さりげなく周囲に勤務帯をアピールできるし、仕事の早い人と遅い人も目に見えて分かりやすくなるんじゃない?」と、可視化による利点もあげられていました。

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経産省が危惧する「2025年の崖」とは?

 熊本地域医療センターに変革をもたらした「業務の可視化」ですが、残業時間の減少以外にも「仕事のブラックボックス化を防げるのではないか」と期待する声が。業務内容が目に見えないことで起きるブラックボックス化は「属人化」と表現され、効率化の妨げや生産性などに影響を与えてしまうとの指摘もあります。

 例えば経済産業省は2018年9月、「デジタルトランスフォーメーション(DX)レポート」を公表。各企業における既存システムの複雑化・ブラックボックス化といった課題が解消されなければ、2025年以降に最大12兆円(年)の経済損失が生じる可能性を指摘しました。

  レポートで「2025年の崖」と呼ばれている問題に対し、経産省はDXを本格的に展開するため既存システムの刷新が必要と説明。対応策として、「『見える化』指標、中立的な診断スキームの構築」「『DX推進システムガイドライン』の策定」などをあげています。

 熊本地域医療センターのように、ちょっとした可視化のアイデアが大きな変革を生み出す可能性も。業務改革の第1歩として、仕事の見える化を積極的に行ってみてはいかがでしょうか。

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