科学者が徹底追究! セックスでコントロールされる女性の脳

科学

2012/8/30

 「最初はあまり乗り気じゃなかったけど、付き合ってみたら案外いい人で……」。恋愛話をしていると、よく出てくるこの台詞。でも、実は性格ではなく、セックスによって脳がコントロールされているだけにすぎないかもしれないのだ。

 『科学者が徹底追究! なぜ女性はセックスをするのか?』(シンディ.M・メストン、デイヴィット.M・バス/講談社)は、世界中の女性1006人の体験に基づいて、女性がセックスする動機を解説した1冊。「絆を感じたい」「ライバルを嫉妬させたい」「退屈だったから」など、さまざまなセックスに至る理由が語られているのだが、その裏には感情の裏側の“科学的な”理由もあることがわかる。

 たとえば、先の「乗り気じゃない男」問題の場合は、女性がセックスによって多く分泌されるオキシトシンというホルモンが関係していると指摘。「理想とは違い、イマイチなんだけどなあ」と思いながらもセックスをし、何度もオキシトシンが分泌されるうちに、セックスをせずともそのイマイチな男性を見るだけで脳がオキシトシンを分泌するようになるのだとか。よって、「“まあまあ受け入れられる人”が突然、“なくてはならない人”に変貌する」というのだ。

 また、「イケメンじゃないとセックスしない!」という女性も多いはずだが、このイケメン像も、ケースや月経周期によって変化するのだそう。一時的なセックスの相手には「単にたくましい、男らしい顔を「もっともセクシーな顔」として選ぶのに、長く付き合いたい相手にはたくましさに欠けた顔を選んだという調査結果があるらしいのだ。これにより、「永続的な関係には、男らしさには欠けるが、誠実で、子供にも愛情を注いでくれそうな相手を選ぶ一方、もっとも妊娠しやすい時期には、より男らしい相手とその場かぎりのセックスする」という理由を導いているのだ。さらに、女性には排卵期になるといつもより露出の多い服を着る傾向もあるらしい。……恐るべし、排卵期!

 興味深いのは、女性の自分の身体に対するイメージと性欲の関係だ。本書によれば、自分の体重と性的魅力についてを聞き取りし、そのあと個室でエロティックな物語を読んでもらうという調査を行なったところ、自分の身体に不満がある女性に比べて、満足している女性のほうが物語に反応し、性欲に駆られたのだという。自分の身体は女として魅力がないかもと感じている人は、性欲も低いというのだ。メディアによる固定化した“セクシーな女性像”の擦りこみの影響は、こんなところにも表れている。

 ちなみに、バービー人形を生身に置き換えると、身長172センチの体重49キロほど、スリーサイズは上から99・45・83。「体脂肪が少なすぎて、おそらく生理はないだろう」と、この本にも書かれている。自分らしいセックスに出会えるにはどうすればいいのか――本書は、そんなきっかけになるかもしれない。