信長と利家はラブラブカップル!? BLで歴史を学ぶ

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更新日:2013/6/20

 日本史の裏側には、実は隠された男同士の恋愛があった! 教科書には載っていない、授業では教えてもらえない。今回は、そんなBLの視点から歴史を学べる本を紹介しよう。

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 まず有名なのは織田信長と小姓・森蘭丸のカップリング。『歴史BL人物伝』(銭形たいむ/光文社)によると、蘭丸は怪しげな術などをかけられないようにするため、信長が切った爪を堀まで捨てに行っていたそうだ。美形でこれほど気遣いのできる小姓なら可愛く思えるのも当然だが、意外なことに2人の関係を示す物は何も残っていないらしい。

 しかし、そんな信長が実際に関係を持ち、可愛がっていたという記録も残っているのが前田利家である。なんと信長は宴の席で「若い頃は毎晩利家を抱いたものだ」なんてカミングアウトしていたというのだ! それを聞いた家臣たちは利家を羨み、利家も照れながら、祝の席でよく出されるという鶴の汁を飲んで喜んだそう。このことは、加賀藩の言行録である『亜相公御夜話』にも記されている。今の時代から考えると、そんな公認のラブラブカップルがいたことに驚きだが、なんだか羨ましくもある。

 また、男色家として有名なのは江戸幕府の三代将軍・徳川家光だ。『ヒミツのBL日本史』(喜多八、ししゃも歳三/幻冬舎)では柳生十兵衛の弟で美貌の剣豪と呼ばれた柳生友矩や、側近の坂部五左衛門、酒井重澄、堀田正盛とも関係を持っていたと書かれている。特に、お忍びで会いに行くほど好きだった堀田正盛は後に老中まで昇進し、家光が死ぬと後を追って殉死したようだ。

 さらに、新撰組で鬼の副長として恐れられた土方歳三と新撰組の隊士で小姓だった市村鉄之助も固い絆で結ばれていた。『萌える日本史BLカップリング事典』(ソフトバンククリエイティブ)によると、市村は五稜郭の戦いで土方と共に死ぬ覚悟だったが、土方が姉夫婦への遺品や自分の形見を託して逃がしたため、泣く泣くその命令に従ったそうだ。しかしそんな市村のおかげで、今でも土方の写真が残っている。

 8月31日に発売された『ヒミツのBL日本史』にはそんなカップリングや逸話に加え、稚児や江戸時代の男娼である陰間がどういうふうに夜の仕込みをしていたかといったことから潤滑油として使われた通和散の作り方に至るまで、赤裸々に綴られている。こんなこと絶対に教えてはもらえないが、歴史に興味を持ち、時代背景を知るにはもってこい。歴史が苦手な人も、これを読めば立派な歴女になれちゃうかも!?