実は『ドラえもん』も!? 恐怖トラウマがよみがえるマンガ

マンガ

更新日:2012/9/5

 トラウマ。衝撃的な肉体的、精神的ショックを受けたことでできた心の傷を指す言葉である。その発生には、さまざまな要因があり、恐怖もそのうちのひとつ。今回は、あまりの恐怖で、トラウマとして記憶に残り続けるあのマンガやこのシーンをマニアたちに聞いてみた。そんななかから代表的な恐怖系トラウママンガをいくつかご紹介しよう。ただし、あなたのトラウマがよみがえる可能性があるので、ご注意を。

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 というところで、まず最初は当時、多くの少年たちに数多の忘れられない記憶を刻んだ、伝説的トラウママンガ『地獄先生ぬ~べ~』(岡野 剛、真倉 翔/集英社)。
「Aが来た! の回が怖くて怖くて……あの頃は、しばらく電気を点けたまま眠りました」(30代男性)
他にも、「赤いちゃんちゃんこ」や「テケテケ」、「枕返し」などなど、『地獄先生ぬ~べ~』は恐怖のオンパレード。時折入るちょいエロも、恐怖を倍増させるスパイスだ。

 次にご紹介したいのが中山昌亮の『不安の種+』(秋田書店)。一般人がなにげない日常のなかで出会う、幽霊とも妖怪ともつかないような怪異をオムニバスで描いている。
「オチョナンさんの登場シーン。勇気がないなら読むな、トラウマ確実」(20代女性)という声があった。そんなことをいわれると、逆に読みたくなるのが人の性。トラウマ覚悟で読んでみるのもいいかもしれない。

 ダーク・ファンタジーとして屈指の人気を誇る『ベルセルク』(三浦建太郎/白泉社)も名前があがった。
「“蝕”のシーンはガッツとともに私のトラウマになりました」(20代男性)とのこと。“蝕”より前に描かれる、ガッツの青春時代との半端じゃない落差が人びとの心に傷をつけたようだ。来年公開される映画は、その“蝕”が描かれる。また多くの人がトラウマを植え付けられることだろう。

 松本洋子による『にんじん大好き!』(1993年のなかよし別冊付録に収録)もたくさんの人が名前をあげた作品のひとつ。にんじん嫌いな男の子が神様に、にんじんを食べられるようにしてくださいとお願いしたら、次の日から食べ物が全部にんじんに見えるようになっちゃった。というのが大まかなストーリー。
「ほのぼのしたかわいらしい絵柄で、のほほんと進むと思いきや、衝撃のラストにどぎもをぬかれました」(30代女性)との意見があった。興味のある人はチェックしてみるといいだろう。

 マンガ家だけをあげる人も多かった。犬木加奈子や御茶漬海苔、楳図かずお、伊藤潤二がそれにあたる。どの人も、トラウマメーカーとして数々の作品を残している猛者たちだ。作者名だけでわからない人は、ぜひ検索してみてほしい。勇気があればの話だが……。

 恐怖系とは少し外れるが、強烈なショックを少年少女に与えたマンガが『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博/集英社)。
「ポックルがネフェルピトーに脳みそをいじくられているシーンがヤバすぎ」(20代男性)とのこと。たしかに、あのシーンを少年時代に読んだ日には、トラウマになること確実だ。

 最後に、こんな意外な声もご紹介しておこう。
「私のトラウマはなんといっても、ドラえもん」(20代女性)
あの国民的マンガにトラウマ? と首をひねる向きもあるだろうが、実は『ドラえもん』(藤子・F・不二雄/小学館)にはけっこう怖い回がある。たとえば「どくさいスイッチ」や「悪魔のパスポート」、「人間切断機」などの道具が出てくる回なんて、なかなかのブラックぶりだった。ただ、そうはいってもドラえもんだからな~と思っていたら、この女性、こんなふうに力説してくれた。
「いや~、“ゴルゴンの首”の回はマジこわかったっですって。見たものを石に変えてしまう道具で、のび太が裏山に落としてしまうんだけど、ジャイアンやスネ夫を次々と石に変えてしまうシーンはガクブルで~」

 トラウマ作品は人それぞれ。しかし、それらはあくまで過去の印象で、今、改めて読んでみると、また違った感想を抱くかもしれないし、トラウマを克服できるかもしれない。これを機会に、記憶の底に封印しているあの作品をもう一度再読してみてはいかがだろうか。