ベストセラー作家・湊かなえが初の連ドラ脚本を書き下ろし

テレビ

更新日:2012/9/6

 べストセラー作家・湊かなえが、長澤まさみ主演の10月クールの連続ドラマ『高校入試』(フジ系/土曜23時10分)で脚本を書き下ろしている。人気作家が連ドラのためにオリジナル原作を書き下ろすことはあれど、脚本まで担うのは珍しい。また、連ドラの脚本として多い、出演する役者に合わせた「あて書き」ではなく、プロデュサーとのやりとりを重ね、約2年をかけて完成させたということも注目したい。

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 物語の舞台は、“入学すれば一生のステイタスとなる”ほどに人気の名門県立高校の「入試前日」と「入試当日」。教師らが見つけた「入試をぶっつぶす!」と貼られた落書き、黒板の上から出てきた長澤演じる英語教師・杏子宛のラブレター、ネットの掲示板につづられる不穏な書き込み……。様々な謎と、登場人物たちの思惑が並行しながら進んでいく。謎が謎を呼ぶスリリングでスピーディーな展開は、湊ワールド全開だ。

 湊は小説家としてデビュー前はシナリオを書き、BS‐i(現BS‐TBS)新人脚本賞佳作などの受賞歴を持つ。とはいえ、「小説との切り替えが大変でした」と湊。「脚本は私が書いた文字を、脚本を読んだ別の人たちの手で映像となって完成。だから、あくまでも設計図。テレビならではの楽しさを味わってほしい」とも語った。デビュー作『告白』で小説界を震撼させた湊は、ドラマ界でも新風を起こせるか。

文=平山ゆりの/日経エンタテインメント!
ダ・ヴィンチ10月号「出版ニュースクリップ」より)