小島慶子、セレブママにもの申す!

芸能

公開日:2012/9/9

 ラジオ番組『小島慶子キラ☆キラ』のメインパーソナリティをつとめ、番組終了後もその歯に衣着せぬ発言で根強い人気を誇る小島慶子。彼女の毒舌トークがなかなか聴けず寂しい思いをしている人も多いかと思うが、鋭いツッコミは活字の世界で健在&絶好調だ。

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 8月18日に発売されたエッセイ集『女たちの武装解除』(光文社)は、30代後半~40代のセレブたちの愛読誌『VERY』での連載をまとめたもの。しかし、『VERY』でもたびたび特集が組まれる“イケダン”(イケてる旦那の略)には、「先月号のスナップでもたくさんのよき夫たちが登場。つい、どのダーリンが浮気をしていそうか妄想してしまいました」と、何でもアクセサリー化する女たち(および雑誌)の貪欲さに一撃。また、女子アナの「全然興味なかったんですけど、友達に誘われて試験を受けたら受かってしまって……」というよくある発言にも、「そんな人は大学時代にもそんなつもりはなかったのにミス〇〇大学になっていたりするので、よほどぼんやりしているか、努力しないけど選ばれちゃう私でいたいのかのどちらかでしょう」と、元局アナとは思えない容赦なさを見せる。

 しかし、もっとも舌鋒鋭く切り込むのは、お受験・セレブママたちに対してだ。たとえば、親が出身校である私立一貫校に子どもを入学させようと受験に躍起になることには、「同じ価値観の再生産こそが優れた環境であると言いきることができるのか、疑問です」とキッパリ。「美しい妻であり、素敵なママである」ことに心血を注ぐ30代セレブ妻たちにも、「慣れ親しんだ20代・独身の身軽さ、自由を失ったことを思い知ったからではないか」と冷静に分析している。

 このように文章を取り出すと、小島はただダメ出しをする傍観者のように見えてしまうかもしれない。だが、実際はその逆だ。母親からの重圧を背負って摂食障害に悩んだ経験があるからこそ、子どもの自由について真剣に考える。40歳という年齢を迎え、若くはない身体とどう向き合うかという問いの真っただ中にいるから、30代女性たちの気持ちが理解できる。……小島は“当事者”として、お受験ママやセレブママたちにエールを送っているのだ。

「私の“キレイ”が家族の幸せ」という『VERY』のキャッチコピーに反旗をひるがえし、“私は私”を大事にする小島。世間の価値観に疲れを感じる女性には、ぜひ読んでほしい1冊だ。