もしかして「コミュ障」かも? と思ったら……

暮らし

2012/9/10

 最近、ネット上でよく話題になっている「コミュ障」という言葉をご存じだろうか。
 他人とうまく話せなかったり、空気を読まないなどといった“コミュニケーション能力が低い人”を意味する言葉で、コミュニケーション障害を略して「コミュ障」。長引く不況による就職難でコミュニケーションスキルの向上が求められるようになった2000年代以降、対人関係をうまく図れるか否かが大きな関心事になっているが、その一方で「自分はもしかしてコミュ障……?」と悩む人も増えているようだ。

 そんな人にオススメしたい本が、8月26日に発売された『あなたのまわりの「コミュ障」な人たち』(姜 昌勲/ディスカヴァー・トゥエンティワン)。精神科医の著者が、コミュニケーション障害のもとになっていると思われる「うつ病」や「境界性パーソナリティ障害」、「社会不安障害」「アスペルガー障害」「ADHD」などの疾患を紹介。タイプ別にどのような特徴があるか、そしてどのように対応すればいいかを細かく解説している。

 本書によれば、細部に異常なまでのこだわりを発揮してきたスティーブ・ジョブズには「自閉症スペクトラム障害」の特徴があてはまり、黒柳徹子には『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)で描かれる好奇心の旺盛さや『徹子の部屋』でのマシンガントークからADHDの特性が感じられるという。さらに、黒柳にも負けない「過剰ともいえる挑戦、コミュニケーション量」を有している勝間和代も、同じくADHDの特性がよく表れているそう。著者は「(勝間は)社会適応は良好なので、ADHDと診断されることはありませんが」と書いているが、帯にコメントを寄せた勝間自身は「コミュニケーション障害は、理解して上手に生かせば才能にできるという勇気を私たちに与えてくれます」と本書の感想を述べている。コミュ障を“偏りもひとつの才能になる”と捉えるこの本は、コミュ障かも? と悩む人だけでなく、うまくコミュニケーションが取れない部下や家族を持つ周囲の人たちにこそ読んでほしい内容である。

 また、学校での友人関係がうまくいかず悩む人は、人と人の距離について考えることができる『友だち幻想―人と人の“つながり”を考える』(菅野 仁/筑摩書房)を。さらに、「そもそも社会性って何?」と疑問を抱く人は、『「コミュニケーション能力がない」と悩むまえに――生きづらさを考える』(貴戸理恵/岩波書店)にヒントが隠されているはずだ。

 『あなたのまわりの~』には、「他人の多様性を認め、隠れた才能を見出し、許容する社会。そんな社会を実現するためには、一人ひとりの心の余裕が必要です」とある。相容れない人と接したり、“普通”とは違う行動を取る人に対して、すぐに「あれってコミュ障じゃね?」とレッテルを貼ってしまいがちな人は、一歩立ち止まって、どうすればコミュニケートできるか、その方法を考えてみてはどうだろうか。