2050年、日本人の半分が52歳以上になる!?

社会

2012/9/10

 『2050年の世界 英「エコノミスト」誌は予測する』(英『エコノミスト』編集部:著、東江一紀・峯村利哉:翻訳、船橋洋一:解説/文藝春秋)という本が大きな話題になっている。『エコノミスト』といえば世界的に有名なイギリスの経済誌で、1962年、日本がアメリカと並ぶ経済大国になるという特集記事を組み、見事に的中させたことで知られている。

 そんな権威ある雑誌が今度は40年後を予測したのだが、しかし、そこに書かれている世界はかなり衝撃的なものだった。

 たとえば、2050年、アジアは世界経済の半分の規模を占めるようになるが、中国は人口減に転じ、それにともなって経済も衰退していくという。そして、ナイジェリアが巨大新興市場に成長し、インドとパキスタンの間では核戦争が起きる可能性があるらしい。

 中でもショッキングだったのは日本の未来予測だ。日本が超高齢化社会に突入するというのはよくいわれていることだが、この本によれば、2050年、日本の中位数年齢は52.3歳まで上昇するという。これは、人口の半分が52歳以上になるということだ。子供や65歳以上の老人を合わせた被扶養者数は労働年齢の成人数と並び、たった1人で子供や老人1人を養わなければならなくなる。

 そして、国力の指標である人口1人当たりのGDPは、アメリカを100とした場合、日本は58で、韓国が105。つまり日本は韓国の約半分になってしまうのだ。日本の先行きが暗いという話はいろんなところで聞かされていたけど、まさかここまでとは……。

 しかも、この本にはもっと薄気味悪い予測も書かれている。それは、メディア環境や科学技術の発展が人間の内部にもたらす変化だ。

 SNSのさらなる普及によって、他者と話すことに興味を失い、ネットでしか人と繋がらなくなる。それによって、短期のやりとりに重点を置くようになり、長期的なつながりや記憶が苦手になってしまう。ようするに、SNSに浸食されて、人間の脳に変化が起きるというのだ。

 さらに、『2050年の世界』は、人間の脳内に直接「脳波センサー」や「小型携帯電話」を埋め込まれる可能性まで指摘している。新生児は母親の胎内を出た直後にチップを埋め込まれ、スマートフォンは体内センサーに反応して、送受信されるようになる、と。

 映画『マトリックス』も真っ青の世界だが、しかし、同書はけっして未来を否定的にとらえているわけでも絶望視しているわけでもない。一方では、医療の飛躍的発展により平均寿命が延び、損なわれた自然環境が復活し、貧富の格差が減少する可能性も指摘しているし、日本のような高齢化社会についても、イノベーションによって対応していくことが十分可能だとしている。

 40年後が暗い未来になるか、明るい未来になるかは、結局、私たちがこれから起きる問題にどう対処するか、どんな解決策を提示できるか、にかかっているということだろう。そういう意味でも、とにかく一度、この本を読んでみてほしい。問題解決の第一歩は、未来を知ることから始まるのだから。