ラノベ『俺妹』の“妹萌え”の正体は、実は兄萌えだった!?

マンガ

更新日:2012/9/13

 妹萌えラノベの代表作と言っても過言ではない『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(著:伏見つかさ、イラスト:かんざきひろ/アスキー・メディアワークス)。しかし実はこれ、「妹の桐乃よりも、兄の京介に萌える!」というファンが多いのだという。

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 県内でもトップクラスの学力を誇り、陸上部でも期待され、おまけに読者モデルをつとめるほどの容姿も持ち合わせている妹・桐乃。しかし、そんな彼女にも誰にも言えない秘密があった。それは、子ども向けの萌えアニメや18禁の美少女ゲームにハマっている隠れオタクだということ。それに対して兄の京介はゲームもしないし、パソコンも持っていない。アニメにも興味がなければDVDをパソコンで見られることも知らないような非オタクだった。そう、これはほかの妹萌え作品のようにオタクな兄が登場するのではなく、兄と妹のオタク趣味がいわば逆転しているものなのだ。

 そんな非オタクの京介は、偶然桐乃のDVDを見つけたことで彼女の秘密を知ってしまうのだが、「俺は絶対バカにしたりしねえ」と言って桐乃の趣味を受け入れてくれる。オタクだというだけで偏見の目で見られることもよくあるオタク読者は、自然とオタク側である桐乃に感情移入してしまい、自分の趣味を認めてくれる京介に好感を抱いてしまうのだ。京介が「ニコニコ動画」すら知らないほどオタク知識のない人とくれば、その喜びは尚更だろう。

 さらに、桐乃に持ちかけられた人生相談をきっかけにオタクの世界に足を踏み入れる京介だが、桐乃にオタクの友達を作るため、オフ会に行ってみろと提案したり、人見知りな彼女のためにその会場まで一緒について行ってあげたりする。普通よっぽどのシスコンでもない限り、ここまでしてあげる兄なんていない。

 普段から桐乃には「ねぇ」とか「アンタ」呼ばわりされ、決して2次元の妹萌え作品のように「お兄ちゃん」などと優しく呼ばれることはなく、「ただいま」と声をかけても無視。親切心から落としたバックの中身を拾おうと手を伸ばせばパシッと払われ「……いいから、さわんないで」とすげなく一蹴されるし、鋭い眼光で睨みつけられ「うっさい、バカ」「は?キモ」など、敬意のかけらもないセリフを投げつけられるのだ。

 でも、そんな妹のために一生懸命頭をひねって協力し、理解を示そうとしてくれる。そして、なんだかんだ言いながら妹の大切なコレクションを守るために厳格な父親を説得し、妹モノの18禁ゲームは自分のものだと言い張って父親に殴られてまで桐乃をかばってくれるのだ。いくら血のつながった兄妹とはいえ、少し前までは挨拶すら交わさないほど不仲だった妹のためにそこまでしてくれたら、桐乃じゃなくてもちょっとキュンときてしまう。「私の兄貴がこんなにかっこいいわけがない」と評されるのも納得だ。

 そんな素敵な兄が見られる『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のラノベ11巻が9月7日に発売された。アニメの2期も決まり、10月からはアニメの1期を再編成した『TRUE ROUTEスペシャル版』も放送されるので、こちらも要チェック!
この機会にあなたも妹ではなく、兄の京介に萌えてみては?