オタク男子の理想を具現化!? ラノベ界で女装男子が人気

マンガ

更新日:2012/9/14

 マンガや3次元でも人気の女装男子だが、ラノベではそれ以上の盛り上がりを見せている。しかし、男子たちは女装男子の一体どこに萌えているのだろうか? 女装男子たちはどんな理由があって女装しているのか? 彼らが女装する理由から、萌えポイントを探ってみたい。

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 『俺ンタル! レンタル男子はじめました』(水内あかり:著、へるるん:イラスト/一迅社)の主人公・有馬要は家の事情でアメリカに行っていたが、向こうの生活に馴染めず引きこもりの生活をしていた。そんな彼が日本に帰る条件は、叔母が学園長兼理事長を務める由緒正しきお嬢様学校に転入すること!? アメリカに戻るか日本で女装してこの学校に通うかという究極の選択を迫られた要は、女装することを選ぶのだ。
 
 また『ボクの可愛い国家令嬢』(鏡遊:著、QP:flapper:イラスト/富士見書房)では日本を侵略しようとする得体のしれない外敵から幻獣能力を使って日本を守る“国家令嬢”瑞鳳院凛々花のために主人公の黒鉄鋼が女装する羽目になる。凛々花は専属メイドのはがねの言うことしか聞かないワガママお嬢様だったが、そのはがねが意識不明になってしまったからさぁ大変! そこで目を付けられたのが彼女とそっくりな容姿を持つ鋼だった。鋼は日本を守るため、女装して凛々花の願い事を叶えるために奔走することになる。

 さらに、主人公の南里湊人が片思いしていたクラスメイト・支倉こももに思いを告げられず悶々としていた『女子高生店長のコンビニは楽しくない』(明坂つづり:著、茶みらい:イラスト/小学館)では、彼女が働いている「女性限定」のコンビニに女装して潜り込んでしまうのだ。いくら転校することが決まっていると言っても、好きな人のためにそこまでできる勇気には脱帽する。

 極めつけは女装男子がたくさん登場する『バカとテストと召喚獣』(井上堅二:著、葉賀ユイ:イラスト/エンターブレイン)だ。主人公の明久をはじめ先輩の夏川俊平など、肝試しや文化祭といったところで何かしら理由を付けて女装させられる。さらに双子の姉と入れ替わったり女装が趣味という木下秀吉はれっきとした男の子だが、彼を男として認識している者は少ない。また、Bクラスの根本恭二は罰ゲームとして明久たちに女装写真集を作られてしまう。それが原因で彼女にも振られてしまうのだが、同時に女装に目覚めてしまったようだ。

 好きな人のためや国のため様々な理由から、“仕方なく”女装する彼ら。そんな女装男子には普通の女子にはない魅力がある。オタク男子は女性に高い理想を持っているので、女の子の見た目は好きだけどドロドロしていたりがさつだったりするリアルな女の子の内面は苦手なようだ。とはいえ、3次元の女装にはいまひとつ萌えきれない。でも2次元なら女の子キャラの見た目と全く変わらない。そして嫌なことを無理強いされる女の子やそれにけなげに応じる女の子という設定も人気なので、女装している彼らが泣きそうになったり困っているところにもグっとくる。女の子より女の子らしい女装男子は、オタク男子の理想を具現化したものなのかもしれない。