オタク界でついにモテ願望が解禁か!?

マンガ

公開日:2012/9/15

 オタク界で「モテる」ということは、敬遠されてきた。モテたいと思ってファッションを変えようとしてみても、何が流行っているのかわからず「オタクのくせにオシャレをした気になっている」とバカにされる。現実の女子は“スイーツ(笑)”や“ビッチ”ばかりで、オタクな自分の理想にかなう女子なんてめったにお目にかかれない。それならオタクでけっこう。モテないことを人やオタク趣味のせいにして2次元最高と負け惜しみじみたことを言い、現実の恋愛を楽しむ人を「リア充」と蔑む……。そんなふうにモテの努力から逃避してきたオタクたちにぜひ読んで欲しいマンガがある。

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 それが8月27日に発売された『相対性モテ論』(築地俊彦:著、前田理想:イラスト/アスキー・メディアワークス)だ。主人公の一哉とその友達の大湖、それに巻き込まれたひろこが校内放送で堂々と「モテたい」宣言をし、モテるための部活「(仮)部」まで作ってしまう。モテることに命をかけ、そのためだったら何でもする『相対性モテ論』を読めば「モテ」の極意がわかるかもしれない!

 主人公の一哉は、モテるためにはまず自分を磨くことだと言われて「自分を磨くってのはヤスリで顔面を削るのか?」などと答えるおバカキャラだ。しかし、女の子の気持ちを理解しろと言われて女装してみたり、幽霊からエア彼女を作る方法を伝授してもらったりして全力でモテに向き合う。

 モテのためにあらゆる努力をするため、美人で学生の頃からすごくモテていたという噂もある保健室の岡田先生を顧問に迎え入れる。「肩書き」「優しさ」「お金」「派手なことをする」という4つをクリアできればモテるという岡田先生のアドバイスのもと、「部長」という肩書きを手に入れた一哉は、次々と無茶な課題をこなしていく。女の子を助ける訓練をするためにプールから飛び込んで人形を救ったり、石油を掘り起こして金持ちになるために校庭を掘ったり、さらに、派手なことをするためにお手製のニワトリの羽をつけて校舎の屋上から空を飛ぼうとしたり……まさに命懸け! そしてギャルゲーをお手本にし、なぜか唯一の女子部員であるひろこと大湖が勉強や料理、告白で対決することにもなる。

 「モテる」ために一生懸命考えて行動する彼らだが、いかんせん実際にはモテない人たちが知恵を絞って考えた方法なので、間違った方向に向かっている部分もあるかもしれない。しかし、たとえ間違っていたとしても「モテたい」と思うならとにかく行動しなければ始まらない。もしあなたが恋愛に臆病になっているなら、この『相対性モテ論』を参考に何か行動を起こしてみてはどうだろう? ただし成功は保証の限りではないけれど……。