『ソードアート・オンライン』はネトゲ中毒のパラダイス!?

エンタメ

2012/9/16

  原作のライトノベルが常にベストセラーにランクインするほど人気の『ソードアート・オンライン』(川原 礫:著、abec:イラスト/アスキーメディアワークス)。現在放送中のアニメがレコチョクの「人気夏アニメランキング2012」で1位に選ばれたこともあって、その勢いはまだまだ衰えない。

 『ソードアート・オンライン』はオンラインゲーム(通称:ネトゲ)を舞台にしているのだが、そこで繰り広げられるのはログアウトボタンもなく、ゲームでの死が現実の死をも意味する危険なデスゲームだった。この世界に閉じ込められた1万人のプレイヤーがここから脱出する方法は、最上層である100層でラスボスを倒し、ゲームをクリアすることのみ。そんな『ソードアート・オンライン』の世界には、人々がネトゲにハマる理由やネトゲ廃人の願望が詰まっていた。

 五感すべてで仮想世界を体感できる“フルダイブ”なんて、ネトゲ廃人にとってはまさに夢のよう。ゲーム内で食事をしたり、実際に自分の体で戦うこともできるので、ただでさえリアルとネトゲの境が曖昧になっているネトゲ廃人は、もう現実に戻れない!

 そして、ネトゲの最大の魅力とも言えるのがプレイヤー同士の交流だ。交友関係が自らの命も左右するほど重大な『ソードアート・オンライン』において、そこは欠かせない。普段はソロプレイヤーとして活躍する主人公のキリトも、その寂しさからギルドと呼ばれるチームに入ったり、「閃光」の名を持つ女剣士・アスナとコンビを組んだり、他のプレイヤーの手助けをしたりする。

 また、ネトゲには見ず知らずの人と出会えたり、その仲間と協力してプレイするという楽しさがあるので、初対面のキリトに「レクチャーしてくれ」と頼んできたクラインや、かけがえのない使い魔であったピナをキリトに救ってもらったシリカのように、他のプレイヤーに助けてもらったことでハマっていく人も多い。この楽しさは通常のオフラインゲームでは決して味わえないものだ。

 現実ならなかなか声をかける勇気がでない人も、ネットの中なら積極的になれる。実際にネトゲ廃人になった人も、そうやってできた仲間たちに毎日会いたくて徐々にネトゲから抜け出せなくなっていくようだ。

 「仮想世界の自分と現実世界の自分はどちらが本当の自分なのか」と悩む登場人物たちの思いは、かつてネトゲにハマった経験のある人なら、とても共感できるものなのではないか。ネトゲ未経験の人にとっても、『ソードアート・オンライン』を読めばネトゲの楽しさを体感できるだろう。さらに、実際のゲームでは描かれず普段はプレイヤーが妄想で埋めているような部分まで、『ソードアート・オンライン』は細やかに描かれていて、ある意味実際のゲーム以上に楽しめるところもある。

 ネトゲ中毒から抜け出したい、ネトゲにハマるのが怖いという人は、禁煙用たばこのように、『ソードアート・オンライン』で代用してみるのもいいのかも? しれない。