第28回『土屋礼央、寿司を握る』 土屋礼央

更新日:2013/8/6

僕はサーモンが好きなお子ちゃまです
死ぬ前に食べるのは当然、にぎり寿司。
中トロかなぁー

土屋礼央、寿司を握る』


「君が寿司だ」


「君が寿司だ」

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男は、あまりにも相手が好きな場合、
「好き」を飛び越えて「寿司」と言ってしまいそうになる。

君=寿司

なにが言いたいかというと
本当に男は寿司が好きなのです。

無人島に何か一つ持っていって良いと言われたら

「寿司」

賞味期限も気にせず
そう答える輩も多いでしょう。

ちらし寿司、押し寿司、手巻き寿司……。
寿司が付くものなら毎日食べても大丈夫。
イントネーションだけで逗子も好きなくらいです。

なかでも、にぎり寿司は絶品。
何が良いって
見た目最高である。
美しい。

魚の切り身と酢飯だけなのに
あのフォルム。
中トロなんて
ちょっとしたグラビアアイドルです。

「はい、中トロね」

板前さんが、一手間加えた
美しいにぎりが目の前に置かれる。

口の中に板前さんの作品を運ぶ。
中トロの品の良い脂に酢飯の甘さが絡み付く。
そしてその味をギュッと、引き締めるワサビ。

そしてお寿司屋さんのお茶をゴクリ。

あぁ、想像だけで書いている事が罰ゲームだ。
早く、早く、僕ににぎり寿司を与えてくれ……。

「君が寿司だ」

ここまで説明すれば、
これが最高の愛の告白である事も理解してくれるでしょう。

愛の告白をしたとなれば続いては
君も寿司も握ってみたくなるのが男の性。

「いくら払えば握らせてくれるんだい?」

君にこう言えば平手打ちをくらうでしょう。

「寿司でよければ、2680円で握らせますよ」

僕にそう語りかけてきたのはコチラ
匠の寿司創具さん。


こちらが匠の寿司創具。き、気になる……

前回東急ハンズで購入したアイスキャンディーキットで
色んなアイスキャンディーを作りました。
そのキットを物色中、僕に声をかけてきたのが
この匠の寿司創具。

いや、ちょっと待て、にぎり寿司ってのは、
そう簡単ににぎれるモノではないのだよ。
熟練の技術が必要であって……。

「だから、それが簡単に出来るのですよ」

なになに、職人が作った逸品をお楽しみ下さい?
出来映えは職人経験のある方でも区別がつかない?


シャリ玉に空気を……。
なるほど、科学的にも考えられてるのね

中には金具が二つ入っているだけ。


こちらがシャリを創るアイテム

そして握るアイテム

ホントにこれで匠のにぎり寿司が出来るのか?

若干怪しいぞ……。

しかし本当に
もしかしたら、僕にも職人さんにも区別がつかないくらい
素敵なにぎり寿司を作れるかも知れない……。


うーん、信じちゃう!
(オバカ)


信じちゃう!

という事で今回のダ・ヴィンチは

土屋礼央、寿司を握る」をお届け。

果たして、職人さんにも区別がつかない程のお寿司が握れるのだろうか?
「大人の週末」の表紙に値するにぎり寿司が握れるのだろうか?

匠の寿司創具さんには
寿司だけではなく、この原稿の運命も握っていただく事になりました。

本格にぎり寿司作りスタート!

先ずは酢飯だな。

さっそくamazonお急ぎ便で頼んだ桶に
少し固めに炊いたご飯を入れる。
そしてお金にものをいわせて購入した高級すし酢を混ぜる。


amazonで桶購入。
僕のamazonの購入履歴欄のバリエーション豊富っす

うまい棒58本分のすし酢

そして扇ぐ!


すし酢を入れて、しゃもじで切る様に混ぜる!

扇ぐ団扇は贅沢に父親の団扇

パタ!パタ!パタ!


あぁ楽しい。


パタパタパタ!あぁ楽しい

桶で酢飯作りなんて母親の隣で見てた事しか無い。
まさか自分でやるなんて!

出来れば部屋の窓を開けて、団扇を叩く音を近所に響かせたい。

「お、お隣さん、今夜は手巻きだな!」
と思われたい。


「ま、握りですけどね」

そんな優越感に浸れる可能性大です。

やはり、にぎりが王様だ。

続いて、酢飯を冷ます。

数十分後……。

匂いを確かめる。

ツーン!

この酢飯の匂い最高。

「あぁ、幸せ」

ちょっと訛って
「あぁ、酢合わせ」
でも良い。

さぁ遂に寿司創具さんの出番です。
ヨロシクお願いします!

水に浸した創具でシャリをよそい
まな板の上に。

ポンっ。

お!おぉ……。

なんだか四角い……。


水に浸して

シャリをすくって

板の上に

置く……

出来た!
お、おぉ、なんだか四角いぞ……

これって高級?

いやいや、信じよう。
もう一つの握りキットで全てが美しくなる筈だ。

ネタを乗せる。

キットに握らせる!


キットで握る!

ニギニギ……

出来たっ。

おぉ!お、おぉう……。


出来た!おぉ、おぉお……

なんて
コメントしづらい出来映えなんだ。

あ、最も的確なコメントを発見。


「悪くない」

匠の寿司創具、悪くない。

ただ「大人の週末」の表紙を考えていた僕としては、
この出来映えでは、かなり消化不良です。
僕自身、相当ハードルを上げていたのでしょう。
寿司の創具が考えていた以上ものを要求している気がします。

それからも創具を使って素敵な握りが出来ないかテストを続ける。

「うーん、悪くない」


他のネタでも実践

ニギニギ……

うーん、悪くない

もうちょっとここら辺がこうなって、
ここの形がこうなると本格的なのになぁ……。

何回もキットで握っていると
理想型を頭で描ける様になってきました。

もしかして、自分が握れるんじゃ?

いや、それは無理でしょう……。

いやしかし、連載の為にもここはチャレンジです。
人生において、1度も握った事は無いが
見よう見まねでやってみよう。

手に酢水をつけ、いざ初チャレンジ。

ネットの画像で、説明してある順序で挑む。

先ずはネタの裏にサビを付ける、か……。

山盛りのサビを指で削り、そのままネタに付ける。

「おぉ、この動作、憧れてた!興奮!」

完全に男性目線の興奮ポイント。
いつも見ていた光景を自分がやっている。
分かりやすい男の興奮ポイントです。

続いて、シャリを掴む。

このシャリの量が難しい。
子どもの頃の、手巻き寿司パーティーの時から思っているのですが
いざ作ってみると
思ったより砂糖が多いんだなと思うのがお菓子で
思ったよりシャリが少なくて良いと思うのがお寿司です。

他で例えるなら
上がプロ野球選手の年俸で
下がJリーガーの年俸です。

Jリーガーの年俸に沿って
寿司創具セットの推奨する量よりも更に
少なめにシャリをとる。

土屋礼央、初めて寿司を握る。

ニギニギ

出来た。


自分で握ってみた。
なんか良いかも……

もう少し握ってみるか……。

出来た。

ちょっと巧いな俺。


自分で握ってみた。
巧くね?

とはいえ、素人だ、口の運ぶ時に
シャリがボロボロこぼれるんじゃないの?

パクリ。

こぼれない&オイスィー。


シャリもパラパラこぼれない

ちなみにこれが市販の握り。
オレの方が上手か?

勿論、手際は悪いので、握る時間は長い。
手の温度がネタに伝わったりで、
目の前のお客さんに振る舞えるレベルでは無い。

でも
あっさり出来てしまった気がする。
味はともかく目標としていた見た目は上出来です。


色々盛ってみた

かぼすの底を切って、座らせてたりしています

食べるの勿体ないけど、後で食べました。美味しい

しかし、このあっさりクリア。

これは連載としてはどうなのだろうか(汗)。

ダ・ヴィンチ編集部鎌野さんに緊急テレホン

もしもし……。

「なるほど。礼央さん、こういうの得意なんじゃないですか?」

そうなのかも知れないですね。
憧れはタモリさんですから。

「なので礼央さん、もっと出来ると思うんですよ。
負荷をかけましょう。飾り包丁とか」

飾り包丁?
キュウリとか綺麗に切っちゃう奴ね。
あれ、凄いよねー。

そんな電話をしながら色々、ネットで飾り包丁について調べる。

するとそこにイカのにぎり寿司の画像が。

お、これ見た目綺麗で美味しそう。

炙りイカの握り。

おぉ、炙りかぁ、色味も美しいよね。

こういうの握ってみたいなぁ……ってか

炙りたい!

「鎌野さん!炙りたい!」

バーナーで色々炙りたい!
ぶりのアブリとか言ってみたい!


早速、料理用バーナーを購入。
あぁ、炙りたい

料理の巨匠、ハルトムート、カイテルさんの
お料理レシピにも興味津々

という事で
もう一度にぎり寿司にチャレンジします。

30日更新の回では

思いのほか、寿司関連が得意だった土屋さんが
努力しないと到達出来ないレベルの寿司を握る

土屋礼央、寿司を握る~究極編~」をお届け。

それにしても今回も寿司ネタの材料費が半端ない。
お金がイクラあっても足りません。
だから、無駄に刺身を買うなと言ったろウニ。

ではでは土屋礼央でした。