祝結婚! HIROの“成り上がり”人生に学ぶ ヤンキー成功術

更新日:2012/9/26

  先日、上戸彩との入籍を発表したEXILEのリーダー・HIRO。ZOOでの成功と解散を経て、再びEXILEでスターダムにのし上がり、いまでは事務所の代表取締役でもある彼。さらにトップ女優との結婚という、男性なら誰もがうらやむ夢を手に入れたわけで、これはまさしく矢沢永吉『成りあがり』(角川書店)に匹敵するサクセスストーリーといえよう。今回はその成功の秘訣を、著書『Bボーイサラリーマン』(幻冬舎)から紐解いてみたい。

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 まずは、HIROの生い立ちから。ZOO時代から甘い顔立ちで女性ファンが多かった彼だが、じつは中学時代は白球を追いかける野球少年だった。が、「理由はもう忘れたけど」中学2年の終わりに野球部をクビに。「五厘刈りの坊主頭では、できなかったことをしよう」と、まずはとんねるずをマネしてパーソンズやセーラーズといったブランドの服を買い漁り、ディスコデビューを果たしたという。セーラーズを着込んでディスコで踊るHIRO……いまでは想像もできない絵であるが、「ちょっと流行ってると、全部取り入れてしまう」という「田舎モノ」精神は、アイドルグループの育成にも精を出す現在にも通ずる点かもしれない。

 また、高校時代は“私立高ブーム”で、地元の県立高校生であるHIROはそれだけで女の子たちから「学校名を聞かれた時点で速撃沈」だったらしい(そもそも地元高校の女子を相手にしていないあたりがさすがというべきなのか……)。で、「モテるための最短コース」としてHIROが選んだのは、ディスコの黒服。高校生がバイトで黒服というのも大胆だが、これが見事に大成功! 女子大生にも「妙な鼻声で話しかけられる始末」で「女子高の連中が、まるでコドモに見えたものだ」というから、やはり女優を妻にできる人物は若かりし頃から結果を残しているらしい。

 高校卒業後も黒服としてマハラジャに勤務し、「何時間もかけて仕事場に通うだけしか能のない、羊の群に入るつもりはこれっぽっちもない」というサラリーマン全否定の生活を送っていたHIRO。社会に対しても「俺という主人公を浮き立たせるために、塗り潰された灰色の背景でしかなかった」そうで、ZOOに参加してからも「ただの遊び人」だったという。
だが、ZOOが解散し、はじめて「自分に与えられていたものの大きさ」に気付く。改心したきっかけは、ドリカムのツアーサポートメンバーをつとめた際に聞いた吉田美和の言葉。「みんな自分のお金でチケットを買って来てくれるんだから、私たちは心をこめて、一生懸命やろう!」という彼女の一言に、「稲妻に打たれたような」気がするほど感動したそうだ。“お客さんのために”というのはわりとエンタメ界ではよくある台詞のようにも思えるが、その後は羊呼ばわりしていたサラリーマンさえ見直し、「オヤジをなめんなって、思う」と方向転換。呼ばれれば地方のショッピングセンターの特設ステージでも“喜んで”立つようになったというほどだから、人の言葉に大きく感動できるというのは大事なことなのだろう。

 また、EXILE として成功をおさめたHIROだが、“社員は家族”と呼ぶ昭和型経営者とは違い、「俺はメンバーの一人ひとりを、自分の彼女のように思うことがある」と、“社員(メンバー)は恋人”論を展開。愛や夢を語らうことで生まれる、男の絆。これを担保にしたヤンキー的経営哲学こそ、HIROが成功した鍵なのかもしれない。

 果たして、HIROの成り上がり人生は、結婚を機にどのような変化が生まれるのか? “Bボーイ夫人”となった上戸の今後とともに、注目して見守っていきたい。