中国人もびっくり! なぜ日本の生徒会の権力はデカいのか

アニメ・マンガ

2012/9/28

 最近、中国のオタクの間で「日本の生徒会の権力ってでかすぎない?」と話題になっているそうだ。中国のオタクに詳しいブログによると、日本の生徒会にあたる中国の「学生会」は日本のように選挙で選ばれるのではなく、先生たちが選んでいるそう。それに比べればたしかに、学校によっては日本の生徒会は部活動の予算を決めたり校則に対して意見することもできるので多少の権力は持っているかもしれない。とはいえ、日本だってそこまで強大な権力はないと思うが……。実はコレ、日本のライトノベルやマンガに登場する生徒会のこと。

 近年、学園モノとくれば中心となるのはヘンな部活か生徒会かというほど、ラノベやマンガで人気を得ている“生徒会もの”。中国人も気になってしまう“生徒会モノ”の魅力とはなんなのか?

 まず挙げられるのは『生徒会の一存』(著:葵 せきな、イラスト:狗神 煌/富士見書房) や『生徒会のヲタのしみ。』(丸美甘/スクウェア・エニックス)のように、生徒会室の中でのみ繰り広げられるいわゆる日常系の作品。このタイプは生徒会メンバーの容姿やキャラによって生徒から支持を得たり、親が金持ちだったりといった力を持っているものが多い。

 また、98%という驚異的な支持率で生徒会長に当選し、生徒の悩みや依頼を解決する目安箱を設置したり生徒のために力を尽くす『めだかボックス』(著:暁月あきら、原著:西尾維新/集英社) や、8億円という巨額の予算を動かすお金大好きな会計が登場する『生徒会探偵キリカ』(著:杉井 光、イラスト:ぽんかん8/講談社)など、他の生徒に対して圧倒的な権限を持つものもある。

 そして、生徒会に入る方法も、『恋と選挙とチョコレート』(著:sprite、イラスト:かんの糖子/アスキー・メディアワークス) のように、実際に公約を掲げたり行動したりして選挙の結果で決まるものから、『生徒会の一存』のように、選挙で選ばれるが見た目重視のもの、『マリア様がみてる』(著:今野緒雪、イラスト: ひびき玲音/集英社) や『生徒会役員共』(氏家ト全/講談社) のように、生徒会メンバーからの指名で選ばれるものまでさまざまだ。中国の生徒会は選挙がなく先生たちから選ばれるそうなので、こんな風に生徒会に入る、生徒会メンバーを選ぶということ自体考えられないのだろう。

 しかも、日本のラノベやマンガの登場人物たちが生徒会に入る動機なんて、いたって不純だ。自分の部活が廃部になりそうなので、生徒会に入ってそれを止めようとする『恋と選挙とチョコレート』の大島裕樹や、「見知らぬ他人のために生まれてきた」と言いながら、自分が一番目立たないと気が済まない『めだかボックス』の黒神めだか。美少女に囲まれたハーレムを夢見て生徒会に入った『生徒会の一存』の杉崎鍵など、いずれも自分の欲望を満たすために生徒会メンバーになっているものばかり。現実ではこんな理由で生徒会になんて入れない。学校の最高権力者が生徒会長なんてこともない。誰もやりたくない“めんどくさい雑用係”として、押し付け合っている学校だって、現実にはあるだろう。

 それでも、生徒会がラノベやマンガで人気を集めるのは一体なぜか。生徒会が支配する学校=先生(大人)に支配されない楽園、だからではないだろうか。リアルの学校では、何をしようにも、校則や先生は変えられない現実として立ちはだかっている。だからこそ、その鬱憤を晴らすために自分たちが思い描く理想の校則や制度、生徒会を、“生徒会もの”のラノベやマンガに投影しているのだ。その結果、学校の中で唯一先生たちにも対抗し得る力を持っており、生徒からの信頼や人気も得た生徒の代表である生徒会に絶大な権力を与えることになるのだろう。しかも先生と生徒の関係と違って、同じ立場の生徒同士なら、下克上の可能だってある。

 そんな “生徒会もの”の魅力が詰まった『めだかボックス』の17巻は9月4日に発売されたばかり。10月からはアニメの2期もはじまるので、こちらでも欲望あふれる“生徒会もの”を堪能してみては?