小島慶子、角田光代も母がしんどかった!

暮らし

2012/9/30

 いま、母をしんどく感じる娘が増えている――。この現象について以前記事で取り上げたところ多くの反響が寄せられた。そんななか、作家の角田光代と元女子アナでラジオパーソナリティの小島慶子も対談で「母がしんどかった」過去について打ち明けている。

 対談が掲載されているのは『CREA』(文藝春秋)10月号の小島の連載。小島は、角田と穂村弘の共著『異性』(河出書房新社)に描かれている「会社に就職すればちゃんとした男性と結婚できて幸せになれると信じていたお母様と、作家を目指していた角田さんのバトル」が印象に残っていると話し、角田も「当時は、言葉が通じなくて参りました」と返答している。

 小島はさらに「親子だから、理解してもらわないといけないと感じて辛い人もいると思う」と言うと、「女の子だけが感じる、あの、不思議な罪悪感ってなんなんでしょうね。お母さんの望むとおりにしなかったことに申し訳なさとかね」と角田。両者とも、「真の意味での相互理解は諦めていい」と意見を一致させている。

 じつは、以前より「母親との距離」について綴ってきた2人。小島は著書『女子アナ以前~あのころのわたしと、いま考えていること。~』(大和書房)でも、「“理想の娘”になるという母の期待を一身に受けて育った」ことを告白。10代のあいだは「将来のために今がんばっていい学校に入れば、いい旦那さんが手に入る。それが女の幸せなのよ」という思想に縛られてきたのだそう。しかし、そんな価値観から抜け出したあとも母親からの「理想の娘」像の押しつけは続き、次男の出産時、不安障害になったことをきっかけにカウンセリングを受け、ようやく母への気持ちを整理したという。

 一方の角田は、小説というかたちで「母と娘」における独特の関係性をつぶさに描いてきた。理想の裏に隠されたいびつな家庭を活写した『空中庭園』(文藝春秋)の祖母に母、娘の姿。『八日目の蝉』(中央公論新社)では「母親」とは何かを問い、母性神話の解体を試みている。また、母と娘、母と息子の関係をテーマに描いた短編集『マザコン』(集英社)でも、尊敬や情愛といった美談的な母娘ものとは一線を画し、疎ましさや苛立ちといったさまざまな感情を表現。解説を担当した精神科医・斎藤環も、「本作を読むことで、母による娘の支配には、身体的な同一化が深く関わっていることを教えられました」と感想を述べている。

 どうすれば、母の支配から解放されるのか――。「母がしんどい」と悩む人には、ぜひ2人の言葉・作品からも、そのヒントを探ってほしいと思う。