自然、夜、甘いお菓子…“妖精さん”を探すコツ

マンガ

更新日:2012/10/1

 先日アニメが最終回を迎えた『人類は衰退しました』(田中ロミオ:著、戸部 淑:イラスト/小学館)は、人類が衰退して数世紀が経ち、平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな“妖精さん”のものとなった世界で、旧人類の少女と現人類である“妖精さん”との交流を描いた作品。アニメが終わっても、いまだに作中で登場する“妖精さん”の魅力にとりつかれてしまっている人も多いのではないだろうか。そこで、そんなかわいらしい“妖精さん”たちは何を好み、どんなところに潜んでいるのか、他の作品も混じえながら考えてみよう。

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 まず、妖精さんに会いたければ、自然の中を探すのが一番。
シュガーアップル・フェアリーテイル』(三川みり:著、あき:イラスト/角川書店)の妖精たちは、「草の実や木の実、水滴や朝露や、石や宝石」が持つエネルギーが凝縮し、人や妖精、虫などに“視られる”ことによって生まれる。また『伯爵と妖精』(谷 瑞恵:著、高星麻子:イラスト/集英社)でも、「サンザシやニワトコの茂み、シャムロックの葉陰」といった緑のある場所や、「日陰と日なたの境界や、風向きがふと変わる場所」のような、何かと何かの境い目に潜んでいることが多いようだ。わざわざ山奥まで探しに行かなくても、妖精さんたちは草花や自然がある場所なら身近な庭や公園にだって潜んでいるのかもしれない。

 また、彼らを探す時間帯は夜のほうがいいようだ。
寝る前にミルクを入れたコップを窓際に置いておくとやってくる『伯爵と妖精』の妖精をはじめ、実は夜行性の妖精たち。『人類は衰退しました』の妖精さんも夜になると主人公の“わたし”の部屋にやってきてお話ししたり、“わたし”が眠っている間にいろんな建物を建てて妖精の国を作ろうとしていた。また『シュガーアップル・フェアリーテイル』の妖精たちは、人間に見つかると捕まって妖精市場で売られてしまうので、人に見つからないようひっそりと暮らしている。だから人目につかない夜に行動することが多いのだ。

 そんな夜行性の妖精さんをただ闇雲に探しまわるのはとても大変。でも、実はそんな彼らをおびき寄せるとっておきの方法があるのだ。それは、彼らの大好物であるあまーいお菓子で釣ること。

 基本的に食べ物がなくても生きていける『人類は衰退しました』の妖精さんにとっても、甘いお菓子だけは別らしく、“わたし”に作ってもらったり、お手伝いの報酬としてお菓子を要求したりする。また、食べ物にこだわりがある『伯爵と妖精』のニコも、熱いミルクティとパンケーキやスコーンが大好き。手をかざして食べ物を吸収する『シュガーアップル・フェアリーテイル』の妖精たちは味覚がないのに、なぜか銀砂糖という甘い砂糖の味だけは感じることができるので、その銀砂糖を使って作るお菓子には目がないのだ。こうして見ると、妖精さんたちに会いたければ夜中に庭でお茶会を開くのが1番なのかも? ミルクティや手作りの甘いお菓子を用意して、庭の草花を眺める。そうすれば甘い匂いに誘われた妖精たちが集まってくるかもしれない。

 そんな甘いものが大好きな妖精さんたちが登場する『人類は衰退しました ようせい、しますか?』(吉祥寺笑:著、田中ロミオ:原作、戸部 淑:キャラクター原案/メディアファクトリー)の2巻が9月21日に、『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と水の王様』(三川みり:著、あき:イラスト/角川書店)が9月29日に発売されている。