【第12回】合コンしたことがないから『合コンの社会学』を読んでみた

更新日:2013/8/8

ども。
合コン。やったことないんですよね。
よく目撃はするんですよ、飲み屋さんで。
スーツを着た男性4人くらいと、
キュートに着飾った女性4人くらいが
対面とかに座って奇妙なテンションで
盛り上がっている集団。
アレって、合コンですよね。
私、ヒャダイン
中高一貫男子校、ということもあり
ろくすっぽ素敵青春を送ってこなかったんですよ。
「男子校だったら他の学校と合コンして
出会いを作ればよかったんじゃないの」
って思うでしょう。
合コンなんかできるのはクラスの中でも
一軍の人たちオンリー。
こちとら2軍と3軍をうろちょろしていたので
そんなもん蚊帳の外だったわけですよ。
なので大人になってからの
なぜかしら敬遠していた合コン。
2012年、合コンが社会学的に
どういった意味合いがあるのか調べてみたくて、
読んでみました。

 

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紙『合コンの社会学』北村文、阿部真大/光文社

「合コンは、誰もが参加できる平等な競争の場である」-広く共有されたこの前提は、実は幻想にすぎない。男女は、まったくランダムに、真空状態のなかで出逢うのではない。そこには社会の階層性が色濃く反映され、職業や年齢や容姿を軸にした序列がはっきりある。私たちは、合コンを通して恋愛すべき相手と恋愛し、結婚すべき相手と結婚することで、社会構造の維持に貢献することになる。合コンは、現代の私たちが出逢うために創りだした、そして今や私たちを取りこもうとする、まごうことなき「制度」である。

 

まず結婚サービスや
ネットでのマッチングサービスと
合コンの違いを触れています。
俺にとっちゃ同じように感じていたんですが、
違うんですね。
前者は結婚を前提としている行動だけど、
後者は基本的スタンスが「ただの飲み会」。
そこに偶然の出逢いがある、
という恋愛の偶発性を期待できるもの、
ということなんですね。
なるほどー。
確かにお見合いとかそういうのって
はなっから結婚ありきだから、
相手の家族構成、年収、家事能力などなど、
ある意味機械的な出逢いだけど、
合コンはたとえ腹の中では結婚を前提にしていても、
それを全面に出さないから、
「楽しい飲み会」というベールをまとえるんですね、
ふむふむ。

しかし、
合コンにはお見合いや結婚サービス以上に
厳しいルールや作法があって、
参加者はそれを遵守しながら
それぞれのキャラクターを
演じ続けなければいけない、という。
「楽しい飲み会」に見せかけた、
ルールにギッシギシに縛られた奇妙な装置。
運命的に出会う、ということを偽装した
ものすごく厳格な儀式、それが合コン。
この本のいいところは、
実際合コンに参加したことのある男女に
アンケートをしていて、
その生の声を引用しながら
論を展開していくところなのです。
うん、リアリティーがあるね。
ここから合コンの暗黙ルールを
少しだけ抜粋!

参加者の社会的階層を揃える
個性を出さない
がっつかない
仕事の話をあまりしない

ということで、
なんだか悪い意味での
「調和」を重んじる日本人の特徴を
ぎゅっと濃縮させたイメージがありますね。
ちなみにこの調和を乱したものには
罰則が待っているということで、
机の下で蹴られたり無視されたり。
すなわちはさっき書いたように合コンは
「楽しい飲み会」でないといけないのだ。
誰か一人目立ったり、仕事の話で
急に過酷な現実に引き戻されたりしてはいけないのだ!
うわー。。。。。。
じゃまくせーーー。。。。。

 

 

この時点で矛盾していることが多くて、
合コンの本当の目的は男女ともに恋人、
もしくは配偶者をみつけること。
「楽しい飲み会」で
友達を作ることではないのですよね。
にもかかわらず、
少しでもやましいところを見せると
「調和」を乱すということで排除される。
このシステムで果たして本当に
恋人・配偶者は見つけられるのか、
って話ですよね。
本書でもインタビューをもとに、
合コンから離脱した人、
そして合コンを嫌悪する人を紹介し、
その矛盾に疑問を呈しています。