大学受験用参考書も「萌え」だらけ!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

  夏休みも明け、センター試験まで残り4カ月を切った。もうセンター試験への受験申込みも終わり、いよいよ受験モードも本格化してきた頃だろう。

そんな中、ある参考書が「大学受験用の参考書買ったら中身ギャルゲだった件」とネット上で話題になっている。『「源氏」でわかる古典常識―大学受験らくらくブック』(富井健二:著、かなゆきこ:イラスト、吉田 順:その他/学習研究社)という参考書に登場する源氏物語のキャラが萌えるというのだ(たしかに言われてみれば『源氏物語』のストーリーって、ギャルゲーに通じるところが多いにアリだが……)。しかし、萌える参考書はなにもこの1冊に限ったことではない。『萌える英単語 もえたん』(渡辺益好、鈴木政浩/三才ブックス)が登場してから9年、参考書の萌え化は想像以上に進行しているのだ。

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たとえば『萌式 ゴロ萌え日本史』(不知火プロ:著、小和田哲男:監修/双葉社)では今まで「なんと(710)立派な平城京」と覚えていたゴロが、風でスカートがめくれているのに顔色ひとつ変えない少女のイラストとあわせて「なんと(710)見事な平常心!」と紹介されている。「泣くよ(794)うぐいす平安京」も「泣くよ(794)幼女が平安京」となっており、イラストにはもちろん泣いている幼女が。これならイラストのインパクトで年代もバッチリ覚えられるかも!?

また、『萌える! 物理法則・公式集』(山根成樹:監修、サイドランチ:編集/ナツメ社)では、F(力)=m(質量)a(加速度)で表される運動方程式の成分ひとつひとつを擬人化し、女王様Fとすばしこいフェアリーa、重装備の女歩兵mというキャラクターで表現。さらにこの方程式に“フォース・クイーンズ”というユニット名まで付け、まるでアイドルかゲームのパーティーかのように扱っているのだ。その他の方程式も同じようにすべて擬人化&ユニット化しているので、推しメンがいる方程式なら絶対忘れないはず!

大学入試萌えわかり化学反応式』(北角 巌/中経出版)では、萌えキャラが「チューわ♥(中和)」と言いながらキス顔まで見せてくれるし、『日本史年表 萌えて覚える社会の常識』(日本史愛好倶楽部 /PHP研究所)では「仏教伝来」といった歴史上の出来事から「邪馬台国」といった国までも擬人化してしまう。「磐井の乱」なんか“彼氏の束縛にキレた産直娘”というキャッチコピーがついており、「大和朝廷に耐えかねている」「新羅という新しい恋人ができそう」「地元では大人気の学級委員長タイプ」となんだかうまく表しているようなプロフィールまで記載。それに加えて「大和には 尽くしてきたけど もう限界!」という彼女の心情を表した俳句まで添えられているのだ。もはやなんでもあり!

他にも原作ファンにはたまらない『「涼宮ハルヒの憂鬱」で英単語が面白いほど身につく本』(谷川 流:原作テキスト、出雲博樹:単語解説、いとうのいぢ:イラスト/中経出版)や『「らき☆すた」と学ぶ化学[理論編]が面白いほどわかる本』(松原隆志:著、美水かがみ:イラスト/中経出版)、 『「日常」と学ぶ 物理基礎が面白いほどわかる本』(大渕一彦:著、東雲研究所:イラスト/中経出版)など、人気萌えマンガやラノベとのコラボ参考書もたくさん発売されている。

勉強に萌え要素やマンガを用いるなんて……と思う人もいるかもしれないが、どうしても苦手で理解できない、やる気がでないという人にとっては、まずその教科に興味を持つことが第一。そのきっかけにするには、萌え参考書はもってこいかもしれない。センター試験まであと少しだが、今からでも遅すぎることなんてない。萌え参考書で苦手意識をなくして受験を乗り切ろう。ただし、萌えすぎて集中できないなんて事態にならないようにご注意を!