安全ちゃん(2)やりたいことを1000個書き出せ!自分軸の見つけかた
更新日:2011/10/27
自己分析で自分は本当にみつかるのか?
やりたいことを1000個書き出すと、いったい何が起こるのか?
これは、軽い気持ちで自己啓発に手を出した一人の女が、自分探しの森の中でしだいに心を蝕まれていく様子を記録したドキュメントである。
絶対ブレない「軸」の見つけかた』を羅針盤に、迷走を続ける我が人生を軌道修正しようと決意した私は、さっそく書かれている内容を実践し、自分探しに励むことに。多くの課題の中があるなか、最初に試してみようと思ったのはこの2つ。
「やりたいことを1000個書き出す」
「親しい人10人に自分の良いところを聞く」
これらを実践し、自分が目指すべき方向性を具体的にしていきたい。
頑張るぞ!
実践その1! まず、やりたいことを1000個書き出せ!
さっそく、やりたいことのリストアップをはじめることに。しかし、この作業は思いのほか困難で、いきなり出ばなをくじかれる格好となった。
そもそも、1000個もやりたいことがない。南氏はあっという間に1000個書き上げたそうだが、私は70個あたりで早くも限界を感じ、133個書いたところで、やりたいことが完全に枯渇。一切アイデアが出てこない状況になったため、やむを得ず、「世界中を旅行する」という項目を「サハリンに行く」「パレスチナ自治区に行く」「香川県に行く」という具合に細かく分割し、夢の水増しを図ることに。地図を見ながら世界中の地名を書き写していると、まるで地理のテストに備える中学生のような気分に……。
そのほかにも、「箸を買う」「ゴミ袋(半透明)を買う」など、単なるお買い物メモでしかない項目を書きまることで、なんとか1000個書ききることに成功。こんなことでよいのだろうか……。自分のセコい人間性が浮き彫りになった瞬間だった。
書くだけで人生がどんどんつらくなる魔法のリスト
腕が疲れたとか、純粋に書くことがないといったこともちろんあるのだが、一番辛かったのは、夢について考える行為を通じて、見たくもない自分の内面を詳細に検討し、見つめ直すという作業を強いられたことだ。
「自分のやりたいことについて考える」というのは、一見サプライズパーティーの準備並にウキウキする、素敵な作業に思える。しかし実際に試してみると、心踊る気持ちには全くならないどころか、むしろ禁断の箱を開けてしまった感がつきまとう凄惨な作業であることが明らかになった。
100個程度ならいざしらず、1000個もやりたいことを挙げるとなると、自分の心の底にあるエゴに見ぬ振りを決め込むことはもはやできない。そして自らの願望が大量に書き込まれたリストは、見るだけで弱い人間の自我を粉砕する、壮絶な破壊力を秘めているのである……。 人間として大きな問題がない人格者であれば、こんな辛い思いはしなくてすむだろうから、なにもかも自己責任であるとはいえ、我が身の因果を呪わずにはいられない。