『大奥』だけじゃない! よしながふみのコミックTOP5

マンガ

更新日:2012/10/7

 『ダ・ヴィンチ』11月号では、この秋ドラマ&映画にて実写化されるコミック『大奥』の著者・よしながふみを大特集。
特集では、ダ・ヴィンチの読者モニターを対象に、よしなが作品についてのアンケートを実施。各々の思うベスト3作品を挙げてもらった。

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 1位は月刊誌『モーニング』で連載中の『きのう何食べた?』。よしなが自身が「今まで私が献立を考えることに費やした膨大な時間と労力を回収しようと(笑)。「突撃!隣の晩ごはん」を観る気持ちで読んでいただければ」と語る、料理上手な弁護士&ほがらかな町の美容師、40代のゲイカップルの日々とごはんを描いたコミックだ。

 そして2位は、男だけがかかる謎の疫病に侵された江戸で、将軍職は女が担うようになったという驚きの歴史を紡ぐ男女逆転『大奥』。同作は小学館漫画賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞、センス・オブ・ジェンダー賞特別賞など数多くの賞を受賞している。

 同誌では、2008年の「よしながふみ特集」でも同様のアンケートを行ったが、その際に1位となった『西洋骨董洋菓子店』は今回3位。連載中の作品が追い上げた結果となった。

集計結果は以下のとおり、読者の声とともに掲載する。

【第1位】『きのう何食べた?』(473pt)
「二人がゲイ特有の悩みやなんかを持ちながらも普通に暮らしていく。そういうのがいい。性別とか関係ないよな、生きていくだけなんだよなって思えてきます。何よりおいしそうなごはんが毎日あって、好きな人と食べられるってものすごく幸せなことだなあって」(31歳・女)
「食材が身近でレシピも載っていて役に立つ。実際に本の通りに作ったものもある」(46歳・女)

【第2位】『大奥』(454pt)
「実際の歴史上の女性たちは男たちに翻弄されるばかりだったのに、女性が将軍をやって美男子を囲えるなんて素敵すぎる! そして、権力者としての悲しみも子を産まねばならない女性としての悲しみが描かれていてすごく深い」(18歳・女)
「生きる時代が違っても、その時代の何らかに縛られる男女の「業」を強烈に感じる」(35歳・女)

【第3位】『西洋骨董洋菓子店』(419pt)
「一見あらゆるものに恵まれている主人公の背負っている陰など、登場人物それぞれが何かしらを抱えている。けれど、どこか憎めない変な部分があって、クスリと笑わされる」(51歳・女)
「いい男とケーキ。これ以上、女子に必要なものはない」(35歳・女)

【第4位】『フラワー・オブ・ライフ』(145pt)
「思春期にある人間関係の悩みや恋愛や友情などがおもしろい反面、主人公が白血病であることやそれによって生じる家族の葛藤など真剣に考えさせられる。キャラクターも個性的で好きです」(24歳・女)

【第5位】『愛すべき娘たち』(123pt)
「母と娘の関係性がとても素敵で、それぞれ自立してるけれど、ちゃんとつながってる温かさが感じられて憧れます。娘の背中を抱く母親の姿にじんとしました」(30歳・女)

 特集ではこの他にも、よしながふみロングインタビューをはじめ、マンガ家・東村アキコとの豪華対談、ドラマ&映画に出演する堺雅人のインタビュー、作家・恩田陸の寄稿など豪華コンテンツがもりだくさんでよしながふみの魅力を伝えている。

文・構成=門倉紫麻
(ダ・ヴィンチ11月号特集「よしながふみ 愛がなければ…」より)