ポスト新本格はだれ? これからくるミステリー作家 ベスト5

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

 新本格ミステリーブーム後、現在ミステリーはどのようなシーンになっているのか?また、これからどのようなムーブメントが始まろうとしているのか? 今回、「Twitter読書会」ではそんな現在とこれからのミステリーシーンについて探るため、「これからくるミステリー作家」というテーマで開催した。

読書会では、米澤穂信、道尾秀介といった現在活躍している作家にさらなる期待を寄せる声や、シャーロック・ホームズが最近になってドラマ化、映画化されたことから、古典的な作品の再ブームが起きるのではないかといった声が集まり、それぞれの考える「これから」のミステリーシーンがタイムラインの中で語られた。

若手評論家グループの限界小説研究会メンバー・藤田直哉氏は読書会のタイムラインを見ながら、「ライトノベルと一般小説の中間のジャンルが出始めており、メディアワークス文庫をはじめ、そういったジャンルの青春ミステリーものが多くの読者を獲得しはじめている」と指摘し、まだジャンルとして名前の固まっていない小説群の中に新たな可能性を見い出した。

advertisement

ここでは、読書会の司会“文学少女ゆりいか”(@yuriikaramo)が、参加者の意見をもとに「これからくるミステリー作家」をピックアップし、その代表作をランキング形式で紹介。

気になった作品を見つけてぜひ読んでみてほしい。

★「これからくるミステリー作家」 ベスト5★

◆ゆりいかのコメント
スペイン、ロシア、南米と世界のあちこちで起きている謎に一人の青年が立ち向かうミステリー『叫びと祈り』でデビューした作家。キャラバンを襲った連続殺人や、エボラ出血熱に襲われた集落での大量殺人など国内の常識では捉えられない様々な謎が魅力的。

◆参加者のツイート:0123shun
これからくるミステリー作家というかきて欲しい作家。梓崎優は他の要素があったら凄くなるのか、それともやっぱり梓崎優らしさが欲しいと言われるのかは気になります。

◆ゆりいかのコメント
『午前零時のサンドリヨン』でデビューした小説家。「柴犬」と呼ばれる男子高生、柴山祐希と、彼をパシリ扱いする女子高生マツリカとが学園の謎の解明に迫る連作『マツリカ・マジョルカ』は必読、表紙絵のふとももは必見。

◆参加者のツイート:starry_pink
相沢沙呼さん 日常の謎系学園ミステリなので氷菓ブームに乗ってくると信じてる!

◆ゆりいかのコメント
『天帝のはしたなき果実』で第三十五回メフィスト賞を受賞し、デビューした小説家。文中に頻出するオノマトペや、フランス語などでルビ振られた漢字、さらにその型破りな設定の数々は、読むものを圧倒するはず。

◆参加者のツイート:pato_trok
ちなみに本命としては「古野まほろ」を推したい。本気でここ5年くらい(つまりデビュー時から)はこれ以上ハマってる作家はいない。

◆ゆりいかのコメント
『ホラー作家の棲む家』でデビューした小説家。ホラー小説と推理小説の組み合わさった幻想怪奇なストーリーが特徴的な『刀城言那シリーズ』が有名。

◆参加者のツイート:qreep24
前から何度かツイートしてるけど、ホラーと民族学(妖怪)とミステリーを融合させて描く三津田信三さんに注目している。でも本格ミステリ大賞受賞したからもうきたミステリー作家かな?

◆ゆりいかのコメント
『理由あって冬に出る』で2007年にデビュー。高校内で、幽霊が出没するという噂をきっかけに、高校生たちが探偵として真相の究明に乗り出すという学園青春ミステリー。『まもなく電車が出現します』『いわゆる天使の文化祭』など、タイトルに思わず惹かれる人も多いのでは?

◆参加者のツイート:yotubaclone
似鳥鶏。創元から出てる一連のシリーズがオススメ


Twitter読書会♯9「これからくるミステリー作家」のまとめ