本好きにうってつけ! 「朗読ダイエット」とは?

ダイエット

2012/10/11

 巷に氾濫する、さまざまなダイエットの数々。バリエーションが豊富な分、「運動したくない」「食事制限したくない」とワガママは増えていくばかり。しかし、そんななか最近登場したのが、本好きにはたまらない「朗読ダイエット」。「読むだけでやせる」というなんともオイシイ、このダイエット法。提唱者は、作家・ミュージシャンのドリアン助川だ。

 『週刊朝日』に掲載された記事によると、「毎日30分、おなかから声を出して朗読」するだけで「余分な肉がどんどん落ちていきます」と、ドリアン助川。実際、腹式呼吸のトレーニングを始めたところ、身長1メートル82センチで体重85キロだった体型が、1年で75キロに減少したのだという。さらに、深く呼吸しながら身体をひねるストレッチと、5分間の腹式呼吸、口を大きく開けて「ハッハッハッ」と小刻みに空気を吐き出す“ドッグプレス”を3分間行うという「基本のトレーニング」を朝晩2回、そして一日一時間の朗読を続けたある体験者は、なんと半年で39キロもスリムダウンしたのだとか。これは魅力的な話ではないか。

 ドリアン助川いわく、「まずは1日30分」「余裕があればもう30分」本を朗読する。オススメの本は「名作の短編集」。「芥川龍之介や梶井基次郎、モーパッサンの短編集を毎日1編ずつ読んでいく」のだとか。継続させるポイントは「読んでいて気持ちよくなれる本を選んでください」とのことだ。しかし、古典を読むのはしんどい……という人もなかにはいるはず。そんな人のために、朗読ダイエット向きの「声に出して読みたい」短編集をピックアップしてみよう。

 まずオススメしたいのは、小川洋子『人質の朗読会』(中央公論新社)。これは、ある異国で反政府ゲリラの人質となって爆死した日本人たちが、人質生活のなかで互いの人生の印象に残っている出来事を朗読しあったテープが発見され……という設定での短編集。人質たちの語るエピソードが面白いのはもちろん、そもそも朗読された設定の物語なので読みやすいはずだ。

 朗読のしやすさでは、一人称で語られているものはやはり入りやすい。村川という大学教授の男性について、彼にかかわりのあった人々が語る『私が語り始めた彼は』(三浦しをん/新潮社)や、同じく複数の女性たちの視点でひとりの男性を描いた『ニシノユキヒコの恋と冒険』(川上弘美/新潮社)、もしも世界があと3年で終わるなら……そんな仮想日本の住人たちがそれぞれの終末を語る『終末のフール』(伊坂幸太郎/集英社)などは連作短編集なので続きもきっと気になって毎日続けられそう。

 声に出して読む楽しさに重点を置くなら、森見登美彦の『新釈 走れメロス』(祥伝社)『四畳半神話大系』(単行本:太田出版、文庫:角川書店)を。饒舌で仰々しい語り口やオノマトペもかわいいので、読んでいるうちに気分が盛り上がること間違いなし。また、金原ひとみ『憂鬱たち』(文藝春秋)は、音楽家・菊池成孔をして「ラテン」と言わしめただけあり、鬱をテーマにした小説なのに妙なグルーヴ感や高揚感があり、こちらも音読してみたい一冊。

 さらに、ハードな朗読を求めるのであれば、句点が少なく一文が長い古井由吉による『蝉の声』(講談社)『木犀の日』(講談社)。運動気分も味わいたい人には、自転車ロードレースを描いた近藤史恵『サヴァイヴ』(新潮社)、野球を題材にしたあさのあつこの『晩夏のプレイボール』(角川書店)、重松清『卒業ホームラン 自選短編集男子編』(新潮社)などがいいかも。

 ダイエット効果だけではなく脳の活性化にもつながるという、この朗読ダイエット。まずは気になる本を手に、ぜひお試しあれ!