ジャニヲタより熱い!? バンギャルが語るヴィジュアル系あるある

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更新日:2012/10/26

 突然ですが、漢字クイズです! 「救世主」「堕天使」これ、なんて読むかわかりますか? 正解は「メシア」と「ルシファー」。読めたあなたは立派なバンギャルですね。

 いきなりバンギャルとか言われても、なんのことかさっぱりという人もいるだろう。実は、バンギャルとはジャニヲタやAKBなどのアイドルヲタ同様、ヴィジュアル系バンド(V系バンド)の熱烈なおっかけのことを指すのだ。『女々しくて』が大ブレイクし、10月20日からはフジテレビで初の冠番組『金爆一家』もスタートするなど、今ノリに乗っているヴィジュアル系バンドのゴールデンボンバー。彼らがここまで人気を得ているのも、そんなバンギャルの支えがあってこそ。

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 9月28日に発売された『バンギャルちゃんの日常』(蟹めんま/エンターブレイン)は、そんなバンギャルやV系バンドについて描かれたコミックエッセイ。ゴールデンボンバーの歌広場淳もTwitterでおすすめしていたが、バンギャル歴13年という作者の蟹めんまが、90年代のV系バンドならではの常識から最近のバンギャル事情までを紹介しているのだ。バンギャルだからこそ語れる、あつ~いV系バンドあるあるも盛りだくさん。

 たとえば、V系バンドのPV映像の定番。よくある「ライブ映像」とならんで多いのが、「山・樹海に入る」「檻に軟禁される」というもの。さらに「具合が悪い系」というPVまで存在するのだ。他のバンドではなかなか見られない光景だが、包帯グルグル巻きで血を吐いていたり、棺に納まっているようなPVに見覚えはないだろうか。V系バンドではこれが定番のひとつらしい。

 こんなふうに他のバンドとは一線を画すV系バンドだが、ライブの激しさもまた異常。バンギャルたちはライブに行くことを「参戦」と言うのだが、V系バンドのライブは文字通り戦いなのだ。激しく頭を振るヘドバンで隣の人と思いっきり頭をぶつけたり、ダイブしてくる人も多いので、けが人も続出する。しかし、将棋倒しが起きるとライブが中断してしまうため、周りの人は必死で支え合うのだ。そんなときは金八先生の「人という字は~」という教えが頭に浮かぶそう。まさかこんなところでこの教訓が生かされていたとは驚きだ。

 そんな、V系バンドの激しすぎるライブの実態は、意外な生き証人によっても明かされている。特別ゲストとして登場する警備員の伊藤さんだ。なぜ警備員さんが……!? と思う人もいるかもしれないが、実はこの伊藤さん、mixiでファンクラブコミュニティが作られるほどバンドマンにもバンギャルにも愛されているのだ。「LUNA SEA」や「X JAPAN」といった80年代を代表するV系バンドのライブで、長年警備員を務めてきた彼。当時、とても激しかったバンドマンたちに「ダイブするときは硬いものははずす!」「スティックを投げるときはふわっと投げること!」と細かいところまで指導した結果、彼らになつかれてしまったそう。中にはライブ中に「伊藤さんステージおいでよ!」なんて言ってくるバンドマンも。さらに伊藤さんに助けられたバンギャルもファンになり、今やバンギャルやV系バンドのメンバーでは知らない人がいないほど有名な存在なのだ。まさにお互い体を張った激しいライブだからこそ生まれた絆だろう。激しいだけでなく、ライブ中はルームシューズを履き、ライブ後にはぶつかった人に謝るといった細やかさも見せる彼女たち。これも結束力や仲間意識の強いバンギャルだからこそ。

 ちなみに、メンバーのアメーバブログには23時55分頃からスタンバイし、24時ぴったりに訪問記録を残す「ぺタ」をして愛情表現。さらに、そのブログに載せてある私物や半裸になったときにチラッと見えるパンツのブランドをチェックしてプレゼントしたり、メンバーに対しても激しい愛情をぶつけるというバンギャルたち。

 その激しすぎる愛情表現も、命懸けのライブを共有しているからこそ生まれるものなのかもしれない。