“幸せの求道者”ベッキーの言葉に宿る「ポリアンナ効果」

芸能

更新日:2016/1/29

 ポジティブさと元気さでは右に出るものがいない芸能人……といえば、無論ベッキーである。「あの前向きさを見習いたい」「いつも笑顔なのがえらい!」と人気を集め、有吉弘行に「元気の押し売り」と揶揄されても、「すんごく嬉しかったです!」と謝意をブログに綴るなど、そのプラス志向に尊敬の念を抱く人も多い。

そんなベッキーが10月14日に発売したのは『ベッキー ラッキー ツアー in ヨーロッパ』(日本テレビ放送網)。『世界の果てまでイッテQ!』の「ベッキー女一人旅」シリーズのなかから“ラッキー・開運旅”をチョイスしまとめた1冊で、イギリスのラッキースポットと呼ばれるグラストンベリーに赴いたり、スペインで「最強のお守り」を探したり、スロベニアでご来光に祈りを捧げたりと“ラッキー三昧”。幸福を探す旅の醍醐味が凝縮されている。

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 この“幸せの求道者”ともいうべきスタイルは、ブログにも顕著。『今日のハッピー』と題し、「母のお弁当がおいしい」「会いたかった人に会えた」「ぽかぽか」など、ささやかな“その日見つけた幸せ”を記しているほど。さらにベッキー流の“幸せメソッド”が詰まっているのが、30万部を突破した『ベッキーの♪心のとびら』(幻冬舎)だ。「感動した」「人生が変わった」と語る愛読者が続出したこのフォトエッセイには、「がんばることは楽しいこと」「課題はあった方がいい。」「“忙しい”ではなく“充実” “疲れた”ではなく“がんばった” 口から出る言葉はハッピーな響きの方がいいです。」などなど、格言がびっしり。スキャンダル処女でもあるのに、「あれはあれで必要な過去」という言葉が飛び出したりと、元気の裏側には秘めた悩みがあることや、困難に対しても前向きさで立ち向かう姿勢が短い文章のなかに滲み出ている。この若さで、これほどまでに謙虚さを持ち合せた生き方を言語化できるとは……。ベッキー、さすがはただ者ではない。

 ベッキーの言葉は、「お金持ちになりたい」「キレイになってモテたい」という欲張りな自己啓発本とは一線を画し、相田みつをにも通ずる“利他的であることで自分も幸せになる”というもの。実際、こうした“幸せ”の言葉は、心に残るもの。“幸せ探し”を行う主人公・ポリアンナが登場する児童書の古典『少女パレアナ』(エレナ・ポーター:著、村岡花子:訳/角川書店)をもとに生まれた「ポリアンナ効果」という心理学用語があるように、ネガティブな言葉より前向きな言葉に触れるほうが、影響を受けやすいというのだ。

 単なる“元気がウリ”に終わらず、幸せを振りまくベッキー。「幸せになりたい」が口癖の人は、一度、ベッキーの言葉でハッピーを補填してみてはいかがだろうか。