『サザエさん』「(男の子だって)スカートをはいたって別にいいのよ」カツオの同級生・早川さんの価値観に反響

アニメ

公開日:2022/3/13

サザエさん
『サザエさん』14巻(長谷川町子/朝日新聞出版)

 3月6日に放送されたアニメ『サザエさん』では、ジェンダーレス問題につながるエピソードが描かれ、反響を呼んでいる。

 話題になったエピソードは、作品No.8367「カツオのスカート」。ある日、ご近所に住む母親から子ども用のスカートの仕立てを請け負ったサザエ。子どもは姉妹のようで、サザエは同じ柄の布地からサイズ違いのスカートを作る。その出来を確認するため、背格好が近いカツオに試着してもらうが、そのタイミングでカツオの友人の中島くんが遊びにやって来てしまう。そこでカツオは、中島くんを驚かせるべく、スカートをはいたままで迎えることに。しかし、中島くんの隣には花沢さんが。さらにその奥にはカオリちゃんと早川さんの姿が見え、カツオはカオリちゃんと早川さんにも見られてしまったのではないかと気になってしかたがない。

 翌日、学校で早川さんに話しかけるも、よそよそしい態度を取られてしまい、「あ~… おしまいだぁ」と落ち込むカツオ。スカート姿を見られたか見られていないか、本人に直接聞く以外確認しようがないと家族からアドバイスされるが、そんなことはできないと頭を悩ませる。

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 数日後、カオリちゃんと早川さんが磯野家を訪ねてくる。どうやら、サザエが招待したようで、2人はサザエの仕立てたスカートを試着。すると、早川さんのスカート姿の感想を求められたカツオが「ぼくより似合ってる」と口を滑らせてしまう。失態を犯して大慌てするカツオに対し、早川さんは「(カツオも)似合ってたわ。スカートをはいたって別にいいのよ」と、カツオのスカート姿を見てしまったことを明かしつつフォロー。さらには「今度はみんなでおそろいのスカートをはきましょうよ!」と愉快そうに言い出し、これにサザエも「私が作ってあげましょう」とノリノリで答えるのだった。

 スカートをはいたカツオをフォローした上で一緒に着ようと誘った早川さんの“ジェンダーフリー”な発言に対し、視聴者からは「サザエさんもジェンダー平等が来たのか…?」「全人類がそう思える、言えるようになったらいいし、そもそも人目を気にせず自分のファッション=表現が自由にできる世の中になればいいよね 国民的アニメでジェンダー含む現代の課題を取り扱うの、すごい進歩」「サザエさんが ジェンダーを題材にしてる。 世の中変わっていくな」などと反響があがっている。

 脚本を担当した雪室俊一さんは、放送開始当時から数々の作品を送りだしてきたベテラン脚本家。時代を超えても作品が世の中に迎合される理由は、時代の流れに合わせて価値観をアップデートする力があるからかもしれない。

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