『トワイライト』の次はこれ! 実写映画化も決定したベストセラー小説

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

 異世界のラブストーリーを描いた(パラノーマル・ロマンス)小説。ロマンス初心者からディープなイケメンマニアまで世界の女性を虜にする人気ジャンルで、『トワイライト』をはじめ日本でもその人気は高まっている。

創元推理文庫から刊行されている『シャドウハンター 骨の街』もそのうちの1冊。地下世界(ダウンワールダー)の住人を始末するシャドウハンターをめぐるファンタジー小説だ。同作は、ハラルド・ズワルト監督による実写映画化が決定、2013年公開予定。『ダ・ヴィンチ』12月号では、その魅力を紹介している。

――「ファンタジー、冒険、アクション、ミステリー、少年少女の成長物語など、すごくたくさんの要素が入った作品なんですよ。山場が次から次にやってきて、ジェットコースター的な面白さもあります。登場人物たちの恋愛模様も様々で、そういう見所もいっぱいです」

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そう語るのは、「シャドウハンター」シリーズの翻訳者、杉本詠美さん。初々しいロマンスは日本の少女マンガとの共通点も多いという。
「作品中に日本のマンガが出てきますが、著者のクレアさんもたくさん読んでいらっしゃるんでしょうね。そのせいか、日本人には特になじみやすいキャラクター造形になっている気がします。ロマンスやアクションの場面では、映画を見ているように頭に映像が浮かびますが、アニメの影響もあるのかもしれません」

翻訳の際に気をつけたポイントは?
「キャラクターのイメージを固めるために、初めのうちはイラストを何枚も描いてみました。物語の中心はティーンの少年少女ですが、大人の方も楽しんでいただけるよう、若者らしさを大事にしつつ子どもっぽくならないように、と気をつけています。演出面では、会話はもちろん地の文でも、リズムやテンポをかなり意識していますね。それから、日本の読者はとても敏感なので、細部まで矛盾がないよう気をつかいました。建物の見取り図を描いてみたり、作品の舞台となっているニューヨークの地図を見ながら登場人物の動きを追ったりして、『今こっちに見えてるのはどこの光かな』とか『“強引にUターンした”って書いてあるけど、この道は一方通行だからかなり勇気がいるよね』とか」

杉本さんの一押しキャラは、主人公・クラリーの幼なじみ、サイモン。
「ふつうの男の子として登場しますが、物語の中でどんどん“進化”していきます。ほかの登場人物も、アメリカのYAファンの人気投票でそろって上位に入るくらい魅力的なので、読者の皆さんもきっとお気に入りのキャラが見つかりますよ。現在撮影中の映画では、それぞれの役にぴったりの、とびきりの美男美女俳優がキャスティングされています。ぜひ小説とあわせて楽しんでもらいたいです」――(取材・文=あつしな・るせ)

(ダ・ヴィンチ12月号 文庫ダ・ヴィンチ「翻訳パラノーマル・ロマンスが今面白い!!」より)