「ベルばら」40周年で進む作家・池田理代子研究

文芸・カルチャー

2012/11/7

 9月に松屋銀座で開催された「40周年記念ベルサイユのばら展」。12日間という短い会期にもかかわらず、8万人を超す来場者が駆けつけたというから、衰えぬ熱狂ぶりに改めて驚かされる。また、40周年にあたり展示だけでなく、2冊の関連本が刊行されたこともファンには嬉しい出来事だ。

 1冊は、本展の公式図録にもなっているビジュアルガイドブック『ベルばらミュージアム』(集英社)。原画のディテールを実寸で見せる試みもなされ、展示で見た感覚を、家でも味わえる演出がにくい! 作者のコメント集やインタビュー、トリビュート作品などの企画も充実し、ベルばらワールドを存分に堪能できる一冊だ。もう1冊は、A5版のムック本『池田理代子の世界』(朝日新聞出版)。これまで「ベルばら」については、様々な見地から研究がなされてきたが、他作品については、実はなかなかスポットが当てられてこなかった。つまり、作家研究としては未開の部分が多かったのだ。本書では、貸本時代の作品から全作品のリストがまとめられ、幻の雑誌デビュー作「バラ屋敷の少女」も収録されている。同作には、少女マンガ愛好者にはよく知られている石ノ森章太郎の「龍神沼」を参考にした様子も窺い知ることができ、興味深い面が満載だ。

 再来年には、宝塚が100周年を迎えるが、それと合わせた公演も予定されている。ベルばら40周年は、今後もますます盛り上がりそうだ。

文=倉持佳代子
ダ・ヴィンチ12月号「出版ニュースクリップ」より)