あだち充×古田敦也の豪華野球対談が実現!

スポーツ

2012/11/11

 デビュー以来、高校野球を題材に青春マンガを描き続け、『タッチ』『H2』など数々の金字塔を紡いできたあだち充。『タッチ』の26年後の世界を描いた『MIX』も10月に発売されたばかりで、今もなお第一線で活躍し続けている。
ダ・ヴィンチ』12月号では、そんな永遠の少年マンガ家・あだち充を大特集。5年ぶりの再会という、元ヤクルトスワローズの古田敦也とのスペシャル対談が実現している。

あだち: 野球マンガって、間合いが丁寧に描けるところがいい。チーム戦なんだけど、個人の勝負もちゃんと表現できるし、ベンチも含め、いろんなところにカメラを向けることもできる。そこが、僕の話の作り方にとても合っているんです。

古田: 僕もよく、サッカーと野球の面白さの違いを聞かれるんですけど、そういう間合いこそが野球の魅力だと思ってます。間があるということは、つまりお互いが相手を探りあっているわけですよね。“次はどんな球を投げてくるんだ?”とか、“このバッターはどの球種を狙っているんだ?”とか。そうした駆け引きの面白さを、野球に詳しくない人にも教えてくれたのが、あだち先生の作品だと思うんです。

――サッカーとの違いという意味では、『H2』で「タイムアウトのない試合のおもしろさを教えてあげますよ」という比呂のセリフが印象的でした。

あだち: あれは、『H2』の連載を始めた頃にJリーグが開幕して、あまりにも世間の目がサッカーに向かっていたので、反抗する意味も込めて描いたんですよ(笑)。そもそも僕は、ずっと高校野球ばかりを描いている不思議なマンガ家ですからね(笑)。

古田: でも、高校野球は本当に面白いですよね。“こんなことが本当に起きるんだ!?” っていう展開がありますから。松坂大輔の時なんて、「マンガでもこんな物語は描けない」ってコメントをしたのを覚えてます。

あだち: うん、あれはできすぎなぐらいよくできたドラマでしたね。それに、甲子園には全国の何千という高校が挑むわけで、その数だけ個性的なチームが存在するので、マンガで描くようなことが本当にあるかもしれない。そういう面白さがあるんですよ。

――また、あだちマンガのもう一つの魅力には、名脇役でもあるキャッチャーの存在があります。

あだち: 太っていて、長打力もあるキャッチャーがいるというのがパターンですね。

古田: 僕がキャッチャーになったのも、子どもの頃に太っていたというのが理由なんです。まさに、そのまんまですよ(笑)。

あだち: ただ、いま連載している『MIX』では少し違うキャラクターになりそうですけどね。

――ちなみに、『H2』の野田敦は古田さんがモデルになっているという噂がありますが……?

あだち: それは本当ですよ。だって、野村(克也)監督と古田さんを混ぜて作った名前ですから。

古田: へぇ!! それは光栄です!

あだち: しかも、野田は僕の作品の中でも一番カッコイイと言われたキャッチャーなんです。

古田: 人に自慢します(笑)。

取材・文=倉田モトキ
ダ・ヴィンチ12月号「あだち充特集」より)